【曲紹介】Bonfire / Sweet Obsession

ボンファイヤー / スウィート・オブセッション (1987)

1972年にドイツで結成されたハードロックバンド。
1987年に発表されたBonfire名義では2枚目のアルバム[Fireworks]の7曲目に収録されています。

ドイツのメロディックロックの中でも特に歴史の古いベテランバンドです。
[Cacumen]名義でインディーズレーベルから2枚のアルバムをリリース後、1985年にメジャーレーベルのBMGと契約。
Bonfireに改名し、[Don’t Touch the Light]で全米デビューを果たしました。
途中でDominik Hülshorst(Dr)が脱退するトラブルにも見舞われますが、サポートメンバーとして[Fifth Angel]や[Chastain]で活動している若きドラマーのKen Maryを迎え入れて乗り切ります。
Michael Wagenerプロデュースでアメリカのメインストリームにより近づいた本作は、バンドの代表作となる名盤に仕上がりました。
その中でも特に人気が高く、何度もリメイクをされているナンバーがこちらです。

突き抜けるほどにキャッチーなスタジアムロックの王道を行くサウンドです。
前年に全米1位を獲得した[Bon Jovi]を相当に意識していているようです。
それもそのはず、この曲にはアマチュア時代のJon Bon Joviと活動を共にし、デビュー後も作曲に大きく関わっているJack Pontiがクレジットされています。
似るなという方が無理な相談です。
シンセをダイナミックにフィーチャーした華やかでバブリーな雰囲気が満載のミドルナンバーに仕上がっています。

美しいメロディラインを彩っているのが、もう一人の外部ライターで[Fandango]や[Rainbow]で活躍をしたJoe Lynn Turner。
素晴らしいシンガーであると共に、俗に言う大衆的なのメロディラインを作る達人として知られ、どんな曲でもヒットソングの要素を持ち込みます。
この翌年に[Yngwie Malmsteen]と組んでヒットアルバムを世に出した立役者です。

錚々たる顔ぶれが揃っていながら、従来のBonfireとしての個性をギリギリ保っていることが、この曲が名曲たる理由です。
Claus Lessmannの声は[Scorpions]のKlaus Meineにも似た憂いを帯びたハイトーンです。
メロディラインの中に彼の声の魅力を活かす僅かばかりの哀愁がエッセンスとして封じ込められています。
これが有るのと無いのとでは、曲の印象がガラリと変わるところです。
なかなか狙うことのできない奇跡のバランスと言えるでしょう。

バンドのポテンシャルを裏方がグイっと押し上げた好例です。
メンバーチェンジが起こるたびに幾度となくリメイクされていることからも、この曲の人気が伺えます。
80年代のジャーマンロックを代表する1曲です。

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