【曲紹介】Jeff Beck / Led Boots

ジェフ・ベック / レッド・ブーツ (1976)

1962年から活動を始めたイングランド出身のギタリスト。
1976年に発表されたソロ名義としては2枚のアルバム[Wired]の1曲目に収録されています。

卓越したテクニックと常識を覆す斬新なプレイの数々で孤高の存在として支持を得ていたプレイヤーです。
[Yardbirds]での活動を経て、[Jeff Beck Group]や[Beck, Bogert & Appice]と渡り歩いてきましたが、どれもメンバー間の対立で自然消滅してしまいます。
自由な活動を求めてソロ名義となり、[The Beatles]のプロデューサーであるGeorge Martinとタッグを組んでインストゥルメンタル中心の活動へと舵を切りました。
路線の変更が功を奏して多くのファンを獲得した為に本作はよりテクニカルな面が強調され、Jeffの代表作となりました。
その中から、ライブと定番となった代表曲とも言えるハードなナンバーがこちらです。

同時期に[Stanley Clarke]のソロアルバムにゲストで参加した影響が楽曲にも表れています。
スリリングで複雑怪奇なリズムを土台に、終始ハイテンションに突き進むインストゥルメンタルです。
おそらく殆どのリスナーはドラムソロがひたすら続く展開に度肝を抜かれるでしょう。
[Mahavishnu Orchestra]で卓越した技術を披露していたNarada Michael Waldenのドラミングは、圧倒的な手数とスピードで抜群の存在感です。

それをバックに大暴れするJeff Beckのギターも非常に活き活きしています。
一心不乱に、思うがままにかき鳴らすプレイからは、30代とはとても思えない若々しさ感じます、
それに感化されたのか、キーボードのJan Hammerも負けじと宇宙的なシンセのソロで激しいバトルを繰り広げます。

7/8拍子に移行したパートは、いつ演奏が崩壊するかとハラハラさせられる緊張感が堪りません。
目を閉じれば、己の全てをぶつける白熱のアンサンブルをする姿が浮かんできます。

ロック色の強いハードなフュージョンにおけるパイオニア的とも言える名曲です。
本人亡き後もスタンダードナンバーとして永遠に愛され続けるでしょう。

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