【曲紹介】Ozzy Osbourne / Mr. Crowley

オジー・オズボーン / ミスター・クロウリー<死の番人> (1980)

1979年よりソロでの活動を開始したイングランド出身のシンガーソングライター。
1980年に発表されたデビューアルバム[Blizzard of Ozz]の6曲目に収録されています。

[Black Sabbath]でセンセーショナルなデビューを果たし、ソロのキャリアではヘヴィメタルの帝王と呼ばれるほどの名声を得た伝説のミュージシャンです。
1970年に[Black Sabbath]でデビューを飾り世界的な人気を得るも、アルコールやドラッグの影響で活動に支障をきたして1979年にバンドを脱退。
再起を図るべく、元[Quiet Riot]のRandy Rhoads(Gt)、元[Rainbow]のBob Daisley(Ba)、元[Uriah Heep]のLee Kerslake(Dr)と共に新たなバンドBlizzard of Ozzを結成します。
Jet Recordsと契約を交わしてセルフタイトルのデビューアルバムをレコーディングしますが、マネジメントの戦略によりOzzy Osbourneのソロアルバムとして宣伝が打たれました。
完成したデビューアルバムには、ヘヴィメタルのスタンダードとなる数々の名曲が収録され、歴史的名盤となります。
その中から、ドラマチックな展開とクラシカルなギターソロが印象的なヘヴィメタルを象徴するナンバーがこちらです。

当時[Rainbow]も参加していたサポートメンバーのDon Airey(Key)の弾くイントロから、凄まじいインパクトです。
ダークでゴシックな雰囲気満載で、当時活躍していた他のバンドたちとは明らかに一線を画していました。
Randy Rhoads(Gt)が[Quiet Riot]時代に同じプロダクションに所属していた[Angel]の[Angel Theme]を引用したと生前のインタビューで語っていたようですが、音色が違うだけで全く異なった印象を受けます。
後に日本の[ANTHEM]の[Domestic Booty]にゲストで参加した際に[Blood Sky Crying]というインストゥルメンタルで再度アレンジしていた名演です。

イントロが終わるや否や、Ozzy Osbourneのあまりに個性的なハイトーンを合図に一斉にバンドのアンサンブルが爆発。
体にズドンと衝撃が走る瞬間です。
ヘッドフォンで聴くと微かにドラムスティックのカウントが聞こえるため、どうやらライブ形式でレコーディングしているようです。
顔を見合わせて一斉に音出す緊張感がよく伝わってきます。

この曲魅力といえば、なんといってもRandy Rhoads(Gt)が奏でる神秘的でありながら情熱を目一杯込めたギタープレイ。
自身のルーツとなるクラシックギターのテクニックが余すことなく詰め込まれています。
Ozzy曰く「出会った時には女性と見間違えた」と言われるほど小柄で中性的な顔立ちからは俄かに信じがたい、ハードでダイナミックなスタイルです。

特に合計で3回訪れるギターソロは圧巻であり、最大の見せ場です。
1度目は、音を詰め込んで弾きまくる非常にアグレッシブなプレイ。
数年後に訪れるネオクラシカルな速弾きブームの始祖となりました。
2度目は、アウトロの前半部分。
メロディアスなフレーズをまるで歌うように奏で、そこから追いかけるように乗ってくるOzzyと素晴らしいハーモニーを奏でます。
3度目は、アウトロの後半部分。
タッピングやトレモロを交えたテクニカルなプレイを駆使し、テンションの高いクライマックスを嵐が吹き荒れるかのように演出しています。

彼のプレイに触発され、Lee Kerslake(Dr)も火花を散らすように手数を増やしていきます。
ブリティッシュロックの代名詞とも言える豪快なプレイを得意とする彼ですが、リズムの揺らぎや緩急のつけ方が実に人間的。
バンドのテンションに合わせて白熱していき、まるでアンサンブルでバトルをしているかのような興奮が伝わってきます。

ヘヴィメタルがロンドンを中心に産声を上げた年、早くも頂点に達してしまったかのような充実した内容です。
2025年にOzzy Osbourneがこの世を去った後も、ほぼ毎日のように世界のどこかで演奏され続けていることでしょう。
スタンダードナンバーと呼んでも過言ではない名曲です。

おまけで、元ネタのAngel Themeがこちらです。

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