【曲紹介】Laputa / MONOCHROME

ラピュータ / モノクローム (1997)

1993年に愛知県名古屋市で結成されたロックバンド。
1997年に発表された4枚目のアルバム[絵〜エマダラ〜斑]の3曲目に収録されています。

名古屋市で巻き起こったアンダーグラウンドなヴィジュアル系ムーブメント『名古屋系』の代表格として人気を博したバンドです。
[Ai SICK FACE]で活動していたaki(vo)とtomoi(Dr)を中心に結成され、幾度かのメンバーチェンジを経てJunji(Ba)と元[Silver-Rose]のKouichi(Gt)が加入してラインナップが固まります。
自主制作で発表した[眩〜めまい〜暈]とインディーズレーベルのシェインクハンドレコードから発表した[眩めく廃人]はオリコンインディーズチャート上位を賑わせ、1996年には東芝EMIと契約を交わしてメジャーデビューを果たしました。
本作はメジャーデビュー作の[蜉〜かげろう〜蝣]からわずか8ヶ月でリリースされ、バンドの最高傑作と挙げるファンも多い名盤となりました。
その中から、シングルカットをされていないにも関わらずバンドの定番曲として圧倒的な人気を誇るナンバーがこちらです。

ヴィジュアル系に馴染みのないリスナーが想像するバンド像を、100倍濃縮して具現化したようなサウンドです。
『この世で最もヴィジュアル系っぽい曲』と評するファンもいますが、そこには一切の誇張もありません。
アルバムジャケット、アーティスト写真、楽曲のタイトル
バンドが演出しようとしている世界観が、寸分の狂いもなく音になって表現されています。

その世界観を表現するキーパーソンとなるのが、Kouichi(Gt)の常人離れしたセンスのギタープレイです。
彼のプレイを別格と崇めるファンも多くおり、バンド解散後もカリスマ的人気を誇っています。
繊細で浮遊感のあるコードのストロークと、透明感のあるアルペジオをたった一人で巧みに操るプレイは、まるでギタリストが2人いるかのよう。

その類稀なセンスはフレーズだけではなく、サウンドメイクにも如実に表れています。
まるで壁のように押し寄せる分厚いサウンドは、彼のトレードマーク。
コード弾きだけで楽器で空気を一変させ、リスナーを幻想的な世界へといざないます。
あえて輪郭をぼやけさせた騒然とした個性的なサウンドですが、「これしいかない」と言い切れるほどの説得力があります。

また、斬新なアレンジにも注目です。
イントロで弾くギターリフは、サビでも使用するのがポピュラーミュージックにおける一般的なアレンジですが、なんとこの曲ではメインのギターリフをBメロに使用しています。
これによってサビが2回訪れるような高揚感が感じられます。
仮にサビのインパクトがあまりに強いとBメロのメインリフが霞んでしまうのですが、どちらも同じテンションになるよう匙加減を調整するところにもセンスを感じます。

バッキングだけではなく、ギターソロにも一切妥協はありません。
メタルギタリストからの影響が如実に感じられるプレイが満載で、泣き叫ぶようなチョーキングや、Yngwieばりの高速プレイを織り交ぜながらドラマチックなソロを作り上げています。
短いながらも3部構成のソロとなっており、自身の拘りを隅々まで詰め込んだ名演です。

本作発表後のヴィジュアル系バンドシーンは、[DIR EN GREY]をはじめとするハードコアな面を強調したバンドと、[アンティック-珈琲店-]が始祖と言われる明るく煌びやかなバンドに枝分かれしていきます。
Laputaはそのどちらにも属さない、ダークでゴシックな側面を極限までに高めた孤高の存在でした。
その部分が最も色濃く出ている歴史的名曲です。

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