【曲紹介】Anthrax / Among the Living

アンスラックス / アマング・ザ・リビング (1987)

1981年にニューヨークで結成されたヘヴィメタルバンド。
1987年に発表された3枚目のアルバム[Among the Living]の1曲目に収録されています。

スラッシュメタルの創世記から活動をしており、[Metallica]、[Megadeth]、[Slayer]と合わせてスラッシュメタル四天王と呼ばれているバンドです。
[The Rods]のCarl Canedyがプロデュースした前作[Spreading the Disease]はパワーとスピードに拘ったスラッシュメタル色の濃い名盤となりました。
本作はハードコアパンクとのクロスオーバーを押し進め、弾けるようなビートの突進力の強い独自のメタルサウンドを作り上げました。
その中から、アルバムのオープニングを飾る高速ナンバーがこちらです。

これから何が起こるのか手に汗握る不穏なイントロ。
そこから一気に加速を始める展開は、いきなり胸ぐらを掴まれて揺さぶられるようなインパクトです。
Charlie Benanteの凄まじいツインバスの高速連打が炸裂しますが、勢いは[Slayer]のDave Lombardoに匹敵するかそれ以上。
ビートの安定感、リズムのバリエーション、ソングライティング力を総合するとスラッシュ四天王の中では最も魅力を感じるドラマーです。

楽曲全体に漂う、スラッシュメタルには無い華やかさも魅力です。
メンバー全員が一丸となったギャングコーラスや、ドタバタと慌ただしいリズムはハードコアからの影響が伺えます。
曲が展開する度にリズムをチェンジしてオーディエンスを揺さぶる手法もここから来ています。

この空気は、Scott Ian(Gt)とCharlie Benante(Dr)が並行して活動していたサイドプロジェクトの[S.O.D.]から持ってきたものです。
Anthraxでは発表できないハードコア寄りの曲を演奏するためのバンドでしたが、そこで培ったものをメインのバンドと融合をしました。
これにより、スラッシュメタルの殻を破ったクロスオーバーのスタイルが生まれました。

Joey Belladonna(Vo)の歌も最初は違和感を覚えましたが、慣れてくると意外なほどに馴染んで来ます。
ハイトーンを駆使した正統派メタルシンガーがアグレッシブな吐き捨てのスタイルを取ることで生まれる狂気的な雰囲気が実に個性的。

ハードコア好きにもメタル好きにもお勧めできる必殺の一曲です。

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