【曲紹介】U.D.O. / Metal Eater

ユー・ディー・オー / メタル・イーター (1991)

1987年にドイツで結成されたヘヴィメタルバンド。
1991年に発表された4枚目のアルバム[Timebomb]の2曲目に収録されています。

ドイツの重鎮[Accept]を脱退したUdo Dirkschneider(Vo)を中心に結成されました。
結成当初はバックバンドを従えてのソロプロジェクトでしたが、2作目のアルバム[Mean Machine]より正式メンバーを迎えて本格的なバンドへと発展します。
前作の[Faceless World]からは解散した[Accept]のStefan Kaufmann(Dr)をプロデューサーに迎え、よりメロディを強調した作風で新たなファンを獲得しました。
90年代に入ってからはより攻撃的なスタイルのバンドが増えたことに感化され、前作と同じメンバーでよりハードなアルバムの制作を始めます。
完成した本作は、ヘヴィメタルの持つ攻撃性をギリギリまで高めた強烈な名盤として多くのファンから愛されています。
その中から、アルバムのオープニングを飾るスピードナンバーがこちらです。

ザクザクと刻まれるギターのバッキングとマシンガンのようなスネアのロールで幕を開け、ひたすらスピーディーに疾走するリズムは心地よいことこの上なし。
愚直なまでにパワフルで一糸乱れぬアンサンブルは、ハードな作風で衝撃を与えた[Mean Machine]を遥かに凌駕します。
おそらく前年に[Painkiller]を発表して多くのファンの度肝を抜いた[Judas Priest]と、[Cowboys From Hell]でヘヴィメタルの新境地を開拓した[Pantera]の存在を少なからず意識しているような気もします。
ヘヴィメタルを歌うために生まれてきた声と称されるUdo Dirkschneider(Vo)も絶好調。
彼の強烈な濁声と、Stefan Kaufmannのミックスしたタイトで硬質なサウンドは相性が抜群です。

このアグレッシブなサウンドに彩りを与えてくれるのがMathias Dieth(Gt)のメリハリの効いたプレイです。
[Gravestone]や[Sinner]等を渡り歩いてきた実力派ですが、遂にその才能が開花。
普段はバッキングに徹しているのですが、感想やソロでのトリッキーでテクニカルなプレイはまるでびっくり箱のようです。

まさに大暴れとも言える派手なプレイの連発には舌を巻くばかり。
かと思えば、[Accept]の[Fast As A Shark]をモチーフにしたソロも飛び出したりでリスナーを飽きさせません。
翌年に弁護士になるために引退してしまうのですが、蝋燭が消える間際とも言える燃え盛るプレイは素晴らしいものでした。

まるで[Judas Priest]の[Rapid FIre]を90年代に蘇らせたかのような、正当進化したトラディショナルなヘヴィメタルです。
ここから派生して様々なサブジャンルが生まれていきますが、還るべき原点とも言える名曲です。

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