【曲紹介】Pantera / Cowboys from Hell

パンテラ / カウボーイズ・フロム・ヘル (1990)

1982年にアメリカのテキサス州で結成されたヘヴィメタルバンド。
1990年に発表された5枚目のアルバム[Cowboys from Hell]の1曲目に収録されています。

うねるリズムと極端に尖ったサウンドで『グルーヴメタル』のジャンルを作り、ヘヴィメタルに革命をもたらした伝説のバンドです。
Vincent(Dr)とDarrell(Gt)のAbbott兄弟によって結成され、彼らの父親をプロデューサに自主レーベルから作品をリリースしながらローカルな活動をしていました。
1988年にPhil Anselmo(Vo)が加入してからはグラムメタルの衣装を脱ぎ捨て、パワーメタルのスタイルへ方向転換。
それがきっかけで、メジャーレーベルのAtcoと契約を結びます。
記念すべきメジャーデビューアルバムのトップを飾る、バンドの代表曲がこちらです。

高音域を極端にブーストしたギターサウンドがとにかく強烈!
ザクザクと刻まれるテクニカルなリフを聴いていると、頭蓋骨の中を掻き回されている感覚に陥ります。
リズムの細かいギターリフとアタックの強い叩きつけるようなドラムビートが融合され、体を激しく揺さぶるリズムが生み出されました。
あまりにも斬新なスタイルは、数多くのヘヴィメタルバンドに大きな影響を与えました。

攻撃的なリフが矢継ぎ早に繰り出され、圧倒されるばかりです。
ヒステリックなサウンドで追い立てられるようなフレーズを連発するので、否応にも気分が高揚します。

強烈なリズムに感化されたのか、Phil Anselmoのスタイルにも変化が見られます。
ハードコアに影響を受けた歌唱法は、ハイトーンを中心としたヘヴィメタルのスタンダードからは一線を画しています。
スピーカー越しから噛みついて来そうな咆哮は迫力満点。
縦横無尽に暴れ回る姿が瞼に浮かんできます。

革新的だったのは、各楽器のバランスもです。
一聴するとギターが全てを支配せんばかりの音圧ですが、ドラムのアタックを強調してギターの上にかぶさるように鳴らしています。
ギターの音圧に負けないサウンドは、Vinnie Paul(Dr)の人並み外れたパワーのドラミングが為せる業。
そこにRex Brown(Ba)のギターの帯域を意図的に避けたゴリゴリしたベースラインがボトムを支えます。

まるで音が一つの塊のように押し寄せてくる衝撃のアンサンブルです。
このサウンドが後に「Pantera系」と呼ばれ、多くのヘヴィメタルバンドのスタイルを変えてしまいました。
新しい時代のヘヴィメタルの幕開けに相応しい名曲です。

Panteraの他の楽曲紹介はこちら!

アルファベット別の記事一覧はこちら!

コメント

タイトルとURLをコピーしました