【曲紹介】Mad Max / Never Say Never

マッド・マックス / ネヴァー・セイ・ネヴァー (1985)

1981年にドイツで結成されたヘヴィメタルバンド。
1985年に発表された3枚目のアルバム[Stormchild]の1曲目に収録されています。

多くのバンドやプロジェクトで敏腕プロデューサーとして名を馳せるMichael Vossがフロントを務めたことで有名なバンドです。
当時18歳だった彼が加入してリリースされた前作の[Rollin’ Thunder]はドイツ国内のみならず日本やアメリカでもリリースされ、甘い歌声とストロングなメタルサウンドの組み合わせがマニアの間で話題となりました。
小さな成功を手にしたバンドは、リーダーのJürgen Breforth(Gt)とMichael Voss(Vo)を除くメンバーを総入れ替え。
演奏力の補強を行なって制作された本作は、よりシンプルでメジャー感の増したバンドの代表作となりました。
その中から、バンドのテーマ曲とも言えるパワフルなメタルナンバーがこちらです

イントロの一発目のリズムの間を活かした骨太なギターリフを聴けば、前作と比べて飛躍的な飛躍を遂げたことがよくわかります。
新たに加入したリズムセクションの2人も一体感抜群で、楽曲の屋台骨を支えて強靭なアンサンブルを作り上げています。
地元ドイツの大先輩である[Accept]がアメリカのシーンへと殴り込みをかけたことが影響しているのか、サウンドも彼らに近づいた印象です。
派手さは皆無ですが、ドイツのヘヴィメタルの持つ無骨な雰囲気は見事に体現できているように思えます。

ですが、同じシーンで活動していた他のバンドと明らかな差別化がされているのがMichael Vossの歌です。
線の細い甘い歌声を持っていながら、ヘヴィメタルらしく力一杯声を張り上げて歌うスタイルがある種の微笑ましさを覚えます。
当時はまだ19歳ぐらいで音程も甘く発展途上でしたが、そこが強烈な個性として楽曲を引き立てています。
後に数えきれない程のバンドでシンガーだけでなくギターやソングライティング、果てはプロデュースまで務める大御所になる彼の歴史が詰まっています。

歌に対して、アンサンブルは実にタイト。
歌を抜けば[Scorpions]や[Accept]の曲だと言ってもわからないほど作り込まれています。
音数が少ない分アンサンブルの粗が目立ちやすいものですが、メンバーの入れ替えは完全にプラスに働いています
知名度の部分ではまだまだマイナーの域からは脱してはいませんが、大きな飛躍となる片鱗を見せつけています。

次作で持っているポップセンスを開花させてようやく注目を浴びることに成功します。
そんな彼らが、ヘヴィメタルバンドとしてのアイデンティティを全面に出していた頃を象徴する名曲です。

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