【曲紹介】UFO / Rock Bottom

ユー・エフ・オー / ロック・ボトム (1974)

1969年にイングランドで結成されたハードロックバンド。
1974年に発表された3枚目のアルバム[Phenomenon]の5曲目に収録されています。

70年代にMichael Schenkerの泣きのギターをフィーチャーした数々の名曲で人気を博した伝説のバンドです。
結成当初は地元ロンドンのマイナーレーベルよりアルバムを2枚するも、セールス面では苦戦を強いられて先の見えない地道なツアーに明け暮れる生活でした。
その後、ドイツの[Scorpions]より移籍してきた当時18歳の[Michael Schenker]をギタリストとして迎え入れ、大手レーベルであるChrysalis Recordsとの契約を果たしての再出発となりました。
レーベル移籍第一弾の名盤から。バンドの代表曲としてライブの定番ともなっているナンバーがこちらです!

Phil Moggの野太い歌と、キャッチーな単音のギターリフが中心のアップテンポなブリティッシュロックです。
ここだけでもなかなかの曲に聞こえますが、醍醐味はギターソロです。
メディアから「ハードロック史上最高のギターソロが聴ける名曲」と紹介されることも多く、これによりUFOの楽曲でもトップクラスの知名度です。

サビを2回歌い終え、ドラマチックなハーフビートのパートを過ぎた2:37秒頃からギターソロがスタートします。
同じフレーズを延々と繰り返すサイケデリックロックのような展開を聴いていると、ギターの神を降臨させる儀式を見ているかのような不思議な錯覚に陥ります。
目を閉じれば、口をあんぐり開けて恍惚の表情で体を揺らしながらギターを弾いている姿が浮かんできます。

覚醒をするのは、ちょうど1分を経過した3:50秒あたりからです。
フレーズが徐々に細かくなっていき、テンションが上がってきているのが手に取るようにわかります。
そして、Andy Parkerの激しいフィルインを合図に抑えていた感情が大爆発するかのような凄まじいプレイが洪水のように押し寄せます。

目一杯音を詰め込んだ速弾きと、ギターがまるで泣き叫んでいるようにも聞こえるチョーキングとビブラート。
そして、盛り上がりの起承転結が気持ちよくてたまらない構築されたストーリー性。
にも関わらず、感情の赴くままに弾いているであろう、ミスタッチを恐れないスピード感に溢れるフレーズの数々。

もう一度やれと言われたところで、本人すら再現が困難な名演です。
理性は全て捨て去り、感情だけを先行させて初めて出せるテンションの高さです。
事実、バックのメンバーたちもギターソロの雰囲気に合わせてどんどんテンポを速め、音数も増えていくのがよくわかります。
まるで、全員が激しく取っ組み合いの喧嘩でもしているかのようなエネルギーに満ち溢れています。

この名演の影には、[Michael Schenker]の苦悩が隠されていました。
英語がほとんど話せない状態でドイツから単身イギリスに渡り、メンバーとのコミュニケーションがうまく取れず、孤独のあまりストレスまみれた生活を送っていました。
そんなやりきれない想いをぶつけた先がギターであり、この楽曲のギターソロもそんな彼の気持ちが反映された偶然の産物です。

自分の感情をここまでプレイに反映させられるのは、生まれ持った才能あってのもの。
後にメディアを通じて[神]と呼ばれ、多くのフォロワーを生み出した若きギタリストのスタート地点とも神話とも言える名曲です。

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