クワイエット・ライオット / トワイライト・ホテル (1986)
1973年にロサンゼルスで結成されたハードロックバンド。
1986年に発表された5枚目のアルバム[QR III]の3曲目に収録されています。
[Ozzy Osbourne]と活動を共にしたギタリストの Randy Rhoadsが10代の頃に結成したバンドとして有名です。
1979年に 一度解散しますが、シンガーのKevin DuBrowによって再結成。
Sladeのカヴァー[Cum On Feel The Noize]が話題となり、メジャーデビュー作の[Metal Health]は全米1位に輝きます。
前作の[Condition Critical]発表後にベーシストがRudy Sarzoから元[Giuffria]のChuck Wrightに交代し、シンセのサウンドを大掛かりに導入した本作を発表します。
その中から、シングルカットされた哀愁の強いナンバーがこちらです。
ロックンロールに影響を受けたワイルドで骨太なサウンドを持ち味にしていたバンドが、ハードポップに挑戦!
どれほど似合わないサウンドになっているかと恐る恐る聞いてみましたが、違和感を殆ど感じないことに驚きました。
都会的な哀愁が漂うAORともカテゴライズ出来るサウンドは、前作までと同じバンドとは到底思えないダイナミックな変身です。
ヘヴィメタルのカラーはここに来て完全に消え去りました。
ディストーションのかかったギターはほとんど顔を出さず、クリーントーンのギターとシンセがサウンドの核を担います。
これまでは粗野でワイルドな歌を披露していたKevin DuBrowの新しい側面にも出会えます。
クリーンな声でメロディラインを丁寧に歌うと、これほど大人のムードある雰囲気が出せるのかと驚きました。
本来はこういった曲の方が得意だったりするのでしょうか。
掠れたハイトーンと分厚いバックコーラスがキャッチーで儚いメロディを奏でるサビは、この曲のハイライトです。
80年代のあの雰囲気が大好きなリスナーならば、間違いなく気に入ることでしょう。
残念ながら変化に対応が出来なかったファンが大量に離れてしまい、セールスは大失敗に終わりました。
ですが、哀愁漂うハードポップを愛するリスナーには胸を張って勧められる隠れた名曲です。
コメント