【曲紹介】Motorhead / Overkill

モーターヘッド / オーヴァーキル (1979)

1975年にイングランドで結成されたロックバンド。
1979年に発表された2枚目のアルバム[Overkill]の1曲目に収録されています。

[Hawkwind]を解雇されたLemmy Kilmisterによって結成され、骨太なロックンロールサウンドはジャンルの垣根を超えて世界中のファンを熱狂させました。
40年にも渡るの活動の中でバンドの人気を決定づけた最初の楽曲であり、コンサートで演奏されなかった日はおそらく存在しなかったであろうバンドの代表曲です。
衝撃的なデビューアルバムはハードロックとパンクロックのの垣根を打ち壊し、どちらのジャンルのファンからも熱狂的にな歓迎を受けました。
ですが、メンバーの負傷によるツアーの中止によってデビュー早々にバンドは暗礁に乗り上げてします。
そんなバンドを救ったのが地元ロンドンのBronze Recordsです。
十分な時間と予算をたっぷりかけてのレコーディングを行った結果、本作は全英チャートで24位まで上り詰めました。
その中から、最もラウドでスピード感あふれるナンバーがこちらです。

曲の最初から最後まで一貫して激しツインバスの連打が鳴り響く、当時としては非常に斬新なスタイルでした。
連打の音量があまりに大きすぎるために音割れを引き起こしておりますが、これも曲を構成する重要な要素です。
これによって頭を鈍器で殴りつけるかのような音の塊が襲いかかって来ます。

ラウドなドラムに負けじと、楽器陣も一丸となって襲いかかって来ます。
ディストーションを効かせて地鳴りのように唸りを上げるベースや、音の壁を作るかの如くコードをかき鳴らすギターが三位一体となってアンサンブルを作り上げます。
そこにバンドの象徴であるアルコールとタバコで焼け切れた喉を使って咆哮するLemmyの歌が乗れば、向かうところに敵はありません。

小難しいテクニックは一切不要の、初期衝動に彩られた爆走するロックンロールの美学がここにあります。
特にエンディングへ向かって徐々にテンションが上がっていくギターソロの緊張感は異次元の領域です
まさに狂気の沙汰と言い表せる様相は、リスナーの鼓動が早鐘を打ち始めます。

この曲の最大の聞きどころは、エンディングを強引に何度も繰り返す展開にあります。
曲が終わったかと思いきや、すぐさまドラムのビートが鳴り始めてギターソロを繰り返した後にもう一度エンディングを迎えます。
そこから更にもう一度ドラムがスタートし、半ば自暴自棄になったかのように最高のテンションのまま曲は終わりを迎えます。

気分が高揚し過ぎて展開を間違えたのが原因ではあるのですが、その仕上がりの良さに感動して採用された奇跡のテイクです。
これこそが後世まで語り継がれる名曲となった要因ではないでしょうか。

全てのラウドなジャンルに計り知れないほどの影響を与えた、ロックのクラシックとも言える金字塔です。
全てのロックファン必聴!

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