ジェット / アー・ユー・ゴナ・ビー・マイ・ガール (2003)
2001年にオーストラリアで結成されたロックンロールバンド。
2003年に発表されたデビューアルバム[Get Born]の2曲目に収録されています。
地元オーストラリアで爆発的なヒットを記録し、最終的には世界中で350万枚を売り上げた大ヒットアルバムの先行シングルであるこの曲からは、70年代のガレージロックへの愛が迸っています。
[Iggy Pop]の名曲である[Lust For Life]のリズムを引用し、そこにThe Whoの[My Generation]ようなアレンジを施し、同郷の[AC/DC]のようなノイジーで切れ味の鋭いギターリフを被せています。
ですが、それだけではただの過去の先人たちの模倣で終わってしまいます。
この楽曲の魅力といえば、フロントマンであるNicholas Cesterの絞り出すようなしゃがれたハスキーボイスです。
悪ガキがわめくような歌い方は、知らず知らずのうちにリスナーを楽曲が持っている世界観に引き込む不思議な魅力に溢れています。
また、とことんまでアナログな質感で録音した音質や、タンバリンやハンドクラップ等「あの時代」を象徴するような装飾を大がかりに取り入れているところも、この曲が好意的に受け入れられた要因でしょう。
iPodのコマーシャルにも起用されて、多くのリスナーの耳に届きました。
そこにあったものは、当時の若い世代でもリアルタイムで体験していない時代のロックです。若い世代には、これまでになかった新鮮さを与え、年配の世代には青春時代の思い出を蘇られました。
どちらの世代にも受け入れられた要因は、先人たちの築き上げてきた伝統の魅力的な部分を抽出し、自分達の色をバランスよく混ぜ合わせたからに他なりません。
今後も、どの世代にも末長く親しまれるでしょう。
コメント