【曲紹介】Kiss / Shout It Out Loud

キッス / 狂気の叫び(1976)

1973年にニューヨークで結成されたハードロックバンド。
1976年に発表された4枚目のアルバム[Destroyer]の7曲目に収録されています。

派手なフェイスペイントとパイロを大掛かりに使った派手なステージセットで世界中で絶大な人気を誇るバンドです。
1974年にCasablanca Recordsよりメジャーデビュー以後2年で3枚という驚異的なペースでアルバムをリリースしますが、セールスは伸び悩みます。
ですが、デトロイトのラジオ局が楽曲をヘヴィローテーションすることで人気に火がつきます。
その人気を察知したバンドはデトロイトの大観衆を前にコンサートを行い、それを収録したライブアルバム[Alive!]が全米チャートで9位を記録します。
一躍人気バンドの仲間入りを果たした彼らは、敬愛する[Alice Cooper]を手がけたBob Ezrinをプロデューサーに迎えて本作をレコーディング。
全米チャートで11位に輝き、オリジナルアルバムとしては初のヒットとなりました。
その中から、ライブでは必ず演奏されるキャッチーなロックンロールナンバーがこちらです。

イントロで流れる砂糖を振りかけたかのような甘ったるいメロディラインは衝撃的です。
まるで遊園地のアトラクションか、もしくは子供番組のオープニングか。
どこまでも明るく、そしてキュートで親しみやすさが大爆発しており、一聴した誰もが一気に引き込まれる破壊力を秘めています。
ロックミュージックに、これほどのメロディラインを導入するアイデアがあまりにも斬新です。

更にこの誰でも覚えられる単純なメロディをサビで大合唱するのですから、その計算高さには脱帽です。
『大きな声で叫ぼう!』という子供から老人まで楽しめるテーマを掲げ、エンターテイメントとしてオーディエンスと一体になって盛り上がるパーティーロックのいいお手本です。

全員がリードヴォーカルとコーラスができる強みを活かしたアレンジも見事。
適所に歌詞を追いかけるパートを盛り込み、前半と後半でPaul Stanley(Vo/Gt)とGene Simmons(Ba/Vo)がリードボーカルをしれっと入れ替える部分などは何度聞いても痺れます。
ここにPeter Criss(Dr)の軽快でシンプルなロックビートが絡めば、そこはパーティー会場のど真ん中。

Ace Frehley(Gt)のギターソロも短いながらもしっかりと存在感をアピールしています。
ギターソロが無くても成り立つ曲であっても、曲の雰囲気を壊さない範囲で楽しそうに弾くのが実に彼らしいです。
派手な衣装、派手なメイク、派手なステージパフォーマンス、そして自己アピールを忘れないメンバー達。
何もかもが当時斬新で衝撃的だったことでしょう。

バンドの目論見通りコンサートでハイライトとして演奏されるとスタジアムを埋め尽くしたオーディエンスから大歓声の上がる人気曲となりました。
アリーナロックというスタイルを完成させた歴史的名曲です。

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