【曲紹介】Kissin’ Dynamite / Only The Dead

キッシン・ダイナマイト / オンリー・ザ・デッド (2022)

2006年にドイツで結成されたヘヴィメタルバンド。
2022年に発表された7枚目のアルバム[Not the End of the Road]の3曲目に収録されています。

デビュー当時は80年代のメインストリームを意識した骨太なメタルサウンドでありながら、平均年齢16歳前後の若いメンバーが話題となりました。
アルバム発表する度に、ヘアメタル的なアプローチも徐々に増えていきましたが、安定した演奏とメロディアスなサウンドの芯はブレずにワールドワイドな人気を獲得しました。
そして、ドラマーの交代やレーベルの移籍を経て新体制となって発表された作品から、メロディアスハードロックファンに最もアピールできるであろう楽曲がこちらです。

80年代のメインストリームへのリスペクトを惜しまずに注ぎ込んだ、エネルギーに満ち溢れたミドルテンポのメロディックロックに仕上がっています。
そのサウンドは、まるでセールス面で最も成功していた時代の[Bon Jovi]と[Europe]を掛け合わせたようです。
つまり、アメリカのバンドのような明るさと北欧のバンドのような哀愁が実にバランス良く配合されています。
しかも、ドイツのバンドらしい良い意味で垢抜けない雰囲気は皆無で、まさに無国籍で万人向けの仕上がりです。

こういったジャンルの宿命として、どこかで聞いたことのあるフレーズばかりで構成されており、真新しさが皆無なところは致し方ありません。
とはいえ、サビでの分厚いコーラスと元気いっぱいのシンガロング、わかりやすい曲展開、そして耳に残るキャッチーなメロディの全てが揃っています。
この手のジャンルが好きなリスナーならば何度も繰り返し聞いて楽しめること請け合いです。

若かったメンバーも三十路を迎え、これまでの作品で感じられたグラムメタルの尖った雰囲気は薄れ、丸くなった印象です。
肩肘を張らずに自分達のルーツをより深く楽しむ余裕も出てきた為、肩の力を抜いて作ったのでしょう。

80年代の中盤にこの曲が発表され、適切なプロモーションが行われていたならば世界的なヒットも狙えたのでは無いかとまで思います。
2020年代に受け継がれた、ポップメタルともメロディアスハードとも言える名曲です。

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