【曲紹介】Motley Crue / Hell On High Heels

モトリー・クルー / ヘル・オン・ハイ・ヒールズ (2000)

1981年にロサンゼルスで結成されたグラムメタルバンド。
2000年に発表した8枚目のアルバム[New Tattoo]の1曲目に収録されています。

1997年に果たした夢のオリジナルメンバーでのリユニオンはGeneration Swine1作で終了。
ドラマーがTommy Leeから[Lita Ford]や[Ozzy Osbourne]のバンドでも活躍したRandy Castilloへ交代しています。

ファンが求めるグラマラスなパーティーロックとは全く違ったものを吊り上げてしまった前作の反省を活かして、極めてシンプルでキャッチーなアメリカンハードロックに仕上がげてきました。

リフのコード感からトーンまで80年代の黄金時代を意識しており、ギターソロも派手に弾き倒しています。
ただ、当時と決定的に違うところは楽曲全体に漂う落ち着いた雰囲気。
ここは、新ドラマーのRandy Castilloの功績が大きく出ています。

派手でトリッキーなプレイを好むようになっていたTommy Leeに対して長年のキャリアから出てくる安定感のあるどっしり重いフィールがリズムに対して心地よい部分にバシバシとアクセントを刻んでくれます。
[AC/DC]の美学にも通じる、リズムだけでオーディエンスの体を動かすロックの最も原始的な部分を追求したように感じます。

リバーブなどのエフェクトをとことん排除した生々しいサウンドにもそれが現れています。
演奏の粗は目立ちやすくなりますが、音の芯がハッキリ聴こえて体にズンズンと響いてくるんです。
ただ、それがセールス的に上手く行ったかは別のお話。

ファンがバンドに求める音楽性にはある程度接近はしましたが、音質面やTommy Lee不在がマイナスとなりセールスは失敗となります。

ただ、そんな前情報を無視してしっかりと音を聴けばベテランのバンドがリラックスして楽しみながら作った作品であることはよくわかります。
また、本作の2年後に残念ながら癌でこの世を去ったRandy Castillo最期の作品でもある印象深い1曲です。

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