【曲紹介】The Beatles / Any Time At All

ビートルズ / エニイ・タイム・アット・オール (1964)

1960年にイングランドで結成されたロックバンド。
1964年に発表された3枚目のアルバム[A Hard Day’s Night]の8曲目に収録されています。

バンド自らが作詞作曲をするスタイルを確立し、数えきれないヒット曲を作り出した20世紀を代表するバンドです。
EMI傘下のParlophoneと契約してデビューするや否や、社会現象とも呼ばれるほど人気が爆発。
イギリスナンバー1バンドの座を手にし、さらには更にはCapitol Recordsより全米デビューを果たします。
1964年初頭に[I Want To Hold Your Hand]がBillboardのシングルチャートで1位に輝く快挙を成し遂げると、世界中でThe Beatles旋風が巻き起こりました。
その人気にあやかり、Richard Lesterを監督に彼らを主役にした映画[A Hard Day’s Night]を制作。
映画は大ヒットし、サウンドトラックとして作成された本作も14週にわたって全米1位を記録しました。
その中から、Ringo Starrのドラムプレイが光るナンバーがこちらです。 

オリジナル盤のレコードではB面のトップに収録されているのですが、針を落とした瞬間に聞こえるドラムの一撃が強烈です。
スネアとフロアタム、バスドラムを同時にハードヒットするだけのプレイなのですが、無音からいきなり大音量で鳴り響くのはインパクトがあります。
流れるようなリズムのロックンロールナンバーであるだけに、サビの前で毎回現れるこのフレーズは耳を大いに楽しませてくれます。

60年代の後半にハードロックが生まれるまでは、バンドでのドラムの役割は伴奏でした。
音量を抑え、フロントに立つメンバーを引き立てるためにテンポをキープするだけのプレイを求められることも多くありました。
普段は控えめにプレイをし、ここぞというところで目立つプレイはメリハリが効いて高揚感があります。
普段は全く練習をしないと公言している天才肌のRingo Starrなので、本人も無意識のうちにやっていたのでしょう。

ベスト盤には収録されず、シングルカットもされていない曲で知名度はそこまでありません。
にも関わらずハッとする聞きどころをしっかりと用意されているのは、有り余るエネルギーでなりふり構わず才能を迸らせていたバンドの状態が如実に現れています。
4人全員がそれぞれの個性をぶつけ合い、現代におけるロックバンドの先駆者として駆け抜けてきた歴史が垣間見れます。
蘊蓄を語るのは程々が望ましいですが、知れば知るほど抑えが効かなくなりそうな隠れた名曲です。

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