【曲紹介】Kalmah / Swamphell

カルマー / スワンプヘル (2002)

1998年にフィンランドで結成されたメロディックデスメタルバンド。
2002年に発表された2枚目のアルバム[They Will Return]の2曲目に収録されています。

メロディックデスメタルの中でも、特にメロディを全面に出した人気バンドです。
1991年よりAncestor名義で活動を開始してスラッシュメタル色の強い4枚のデモ音源を発表しますが、レーベル契約を得ることなく1998年に解散。
その直後に解散時とほぼ同じメンバーで結成され、音楽性をメロディックデスメタルへと転換したことでSpinefarm Recordsと契約を結ぶことに成功します。
2000年にデビューアルバムの[Swamplord]を発表後にメンバーチェンジが起こり、[Catamenia]のTimo Lehtinen(Ba)とJanne Kusmin(Dr)が新たに加入。
ライブ活動を殆ど行わないまま、すぐに新しいアルバムのレコーディングに入ります。
前作で打ち出したシンフォニックでメロディックなデスメタルサウンドを更にキャッチーにした本作は、バンドの初期の名盤としてファンから愛されています。
その中から、アルペジオのフレーズが特徴的な特に人気の高いナンバーがこちらです。

単音で奏でられる凄まじいインパクトのクラシカルなリフは、一聴しただけで引き込まれます。
良い意味で田舎臭い北欧民謡風のメロディラインをシンセとギターでユニゾンするスタイルは、当時としては斬新でした。
[Iron Maiden]から影響が強い曲調ですが、素朴な音色のシンセがとても良い味です。
[Eternal Tears of Sorrow]と掛け持ちをで活動していたPasi Hiltula(Key)の非凡なセンスに魅了されたリスナーも多いのではないでしょうか?

メロディックデスメタルを名乗っていますが、デスメタル色は希薄です。
高速2ビートやブラストビート、そしてPekka Kokko(Vo.Gt)の控えめなグロウルは確かにありますが、あくまでもメインはギターとシンセ。
どちらかと言えば、オーソドックスなヘヴィメタルにクリーンではないヴォーカルを乗せたスタイルです。
ですが、そこが逆にメロディを引き立てる素晴らしいエッセンスになっています。

メランコリックでミステリアスなメロディに満ち溢れており、その拘りは同時期に同じシーンで活動していたバンドの中でもトップクラスでした。
自らをSwampmetal呼ぶように、人里離れた湿地帯に迷い込んだような不思議な感覚に包まれます。
一度ハマると抜け出せない趣味を「沼」と呼ぶスラングがありますが、このバンドの魅力にはまさにそれが当てはまるでしょう。

同郷で同じ音楽性の[Children Of Bodom]は、世界的な成功と引き換えに音楽性を変化させました。
もし、過去の彼らのサウンドを懐かしいと思うのならば、是非とも聴いてほしい名曲です。

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