ワイ・アンド・ティー / オープン・ファイヤー (1982)
1974年にカリフォルニア州で結成されたハードロックバンド。
1982年に発表した4枚目のアルバム[Black Tiger]の2曲目に収録されています。
ブルージーで哀愁漂う歌とギタープレイ、そして情熱的なハードロックサウンドが長きに亘って支持を得ているベテランバンドです。
結成当初はYesterday & Todayと名乗っており、2枚のアルバムを発表して地道な活動を繰り返しました。
1980年にメジャーレーベルであるA&M Recordsとの契約に際し、ファンからの呼名であったY&Tと改名します。
プロデューサーにMax Normanを迎えて制作されたメジャーデビュー第二弾となる本作は、Y&Tの持ち味であるメロディアスな楽曲をたっぷり含んだ人気の高い作品となりました。
その中から、アルバムのオープニングを飾るエネルギーに満ち溢れたアップテンポのナンバーがこちらです。
タタンタスカタタンタスカタタンタスカタタン!!
インパクト絶大なスネアのロールから始まるスピード感のあるこの曲は、ライブのオープニングの定番曲になりました。
とにかく、重量感と疾走感を併せ持つダイナミックなハードロックは歴史を超えて愛されるバンドの代表曲です。
ソウルフルで感情豊かに歌い上げるヴォーカル
攻撃的でソリッドなギターリフ
パンチの効いたヘヴィなドラム
名曲となりうる要素が見事に揃っています。
そして、この曲のグイグイと引っ張っているのがドラムです。
安定したリズムで先頭に立って他のメンバーを前に前にと引っ張っています。
まるで高速で爆走する重戦車のようです。
そのドラムを叩くのがLeonard Haze。
バスドラムを踏むスピードと安定感はハードロック界でも随一の凄腕プレイヤーです。
若い頃に足に怪我をして、後遺症でツーバスを踏めなくなったのでワンバスでどこまで速く踏めるかにこだわった人。
このくらいのテンポなら、ワンバスでも踏めないことはないんですが、普通のドラマーなら下記みたいなパターンで叩くと思います。
ドドタンドドタンドドタンドドタン
でも、この人はこうやって叩いてます
ドドタドドドタドドドタドドドタド
スネアを叩くところ以外、全部バスドラムで埋めています。
このおかげで、突進するかのようなヘヴィなリズムが生まれるんです。
LOUDNESSの樋口宗孝さんもCrazy Doctorでこの曲のパターンをやっていました。
ツーバスだと、このニュアンスがなかなか出ないんですよ。
ワンバスだと少し速くて大変だけれども、ツーバスだと逆に少し遅くて大変です。
右足の鍛錬をしっかり行ったドラマーだからこそ出来る芸当です。
残念ながらLeonard Hazeさんは2016年に亡くなっていますが、彼が残したヘヴィなリズムは今でもハードロックのお手本として様々なドラマーに受け継がれています。
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