【曲紹介】Winger / Seventeen

ウィンガー / セヴンティーン (1988)

1987年にニューヨークで結成されたロックバンド。
1988年に発表されたデビューアルバム[Winger]の3曲目に収録されています。

卓越したテクニックを持ったメンバー達がキャッチーなグラムメタルを演奏するユニークな発想が話題となり、全米チャートを賑わせたバンドです。
Alice Cooperのバックバンドで活躍していたベーシストのKip WIngerとキーボードのPaul Taylorのコンビに、セッションギタリストとしてEric ClaptonやBob Dylanとの共演の経験もあるReb Beachと、フュージョン界での重鎮バンドDixie DregsのドラマーであるRod Morgensteinが合流して結成されました。

そんなメンバーが集まってやろうとしたのが、1987年当時アメリカのヒットチャートを騒がせていたヘアメタルでした。
煌びやかな衣装に身を包み、シンプルでキャッチーなナンバーをプレイするかと思えば、各メンバーのテクニックを嫌味なく盛り込んだ独特な音楽性が大きな話題となりました。
その中でもシングルカットされて全米でもヒットとなった代表曲がこちら!

何も考えずに聴けば、明るくて能天気なヘアメタルど真ん中なサウンドですが、休符を巧みに使ったテクニカルなAメロのバッキングを聴けば、自身の大きな勘違いに気が付きます。
実際にプレイをすると忙しくて頭の中がパニックになりそうなことを、歌のバッキングでサラリとやってのけるところが、只者ではありません。

もちろん、歌をしっかりと大切にしており、サビのメロディはしっかりとキャッチーで覚えやすく、ライブでのシンガロングを前提として作り込まれています。
メインのギターリフとサビのメロディを上手くリンクさせて印象づけているのですが、実際にリズムを正確に弾くとなると相当なテクニックを要します。
元々はロックではなくジャズ畑にいたReb Beachならではのプレイです。
彼のプレイは、非常に丁寧でありながらもギターソロになった途端に速弾きを交えたとても華のある派手なプレイを披露するので、メリハリを感じさせるバランスの良いプレイです。

地味ながらも要所要所で存在感を示しているのがRod Morgensteinです。
シンプルなプレイに徹しているかと思えば、ギターソロの終わりや曲がフェードアウトする直前でスネアとバスドラムのビートの位置をひっくり返す非常に高度なテクニックを用いています。
ヒットチャートに挙がるような楽曲でするようなプレイとは到底思えないのですが、一瞬だけチラリと見せてその後は何事もなかったかのように普段のプレイに戻るあたりが、彼が別格のドラマーとして尊敬される要因になっています。

軽薄と思われがちなヘアメタル中を、高度な演奏技術をもってこれ以上なく硬派に料理した名曲です。

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