【曲紹介】Praying Mantis / Cheated

プレイング・マンティス / チーテッド (1981)

1974年にイングランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
1981年に発表されたデビューアルバム[Time Tells No Lies]の1曲目に収録されています。

TinoとChrisのTroy兄弟が通っていた大学内で結成され、卒業後もメンバーチェンジを繰り返しながら活動を継続します。
1980年にセルフタイトルのEPをリリースし、[Iron Maiden]や[Ronnie Montrose]率いる[Gamma]の前座としてツアーを回ります。
そこで人気に火がつき、Reading & Leeds FestivalsAristalに出演できるバンドにまで成長。
これがきっかけにArista Recordsとの契約を結んでメジャーデビューを果たします。
美しいコーラスとツインリードのハーモニーに彩られ、全英チャート60位に輝いた作品から、アルバムのトップを飾る軽快なナンバーがこちらです。

スピード感抜群のドラムのフィルインから[Thin Lizzy]や[Wishbone Ash]顔負けの爽やかなツインリードのハーモニーで始まるブリティッシュロックの王道です。
アルバムのトップを飾るにはうってつけのインパクトを放っています。
ヘヴィメタルバンドとしてデビューしましたが、それも[Iron Maiden]とメンバーの人脈が共通しているだけのこと。
攻撃的なサウンドはあまり感じられず、どちらかといえば[Def Leppard]と同じポップで英国らしい憂いを感じるハードロックサウンドが持ち味です。

この時期にはバンドの専属シンガーが不在のため、フロントの3人が交代でヴォーカルパートを担当するスタイルです。
決して上手いわけではないのですが、コーラスワークが非常に巧みで美しいことが話題となりました。
落ち着いたBメロから徐々に盛り上がっていき、サビで一気に爆発する曲展開はドラマチックの一言。
メロディラインはアイドルソングのように甘ったるいのですが、ギターのサウンドがなかなかハードで全面に押し出されているので軟弱な雰囲気はあまりありません。

特筆すべきはあまり目立っていないDave Potts(dr)の存在。
当時のバンドとしては別格とも言える安定したプレイで楽曲に軽快なスピード感をもたらします。
特に、ビートを前にグイグイ引っ張るハイハットの細かい刻みはラフで荒々しい同時期に活動していたドラマー達とは一線を画します。

調べてみたらキャリアの長いベテランプレイヤーでした。
若い頃は[Yes]のJon Andersonと一緒に暮らしており、Bill Bruford不在時のリハーサルを手伝ったりしていました。
その後はセッションドラマーとして活躍し、有名なところでは、[Peter Frampton]や[Ozzy Osbourne]のツアーメンバーに抜擢されたりもしました。
バンドにとっては絶大な信頼のおける屋台骨です。

残念ながらマネジメントのトラブルに巻き込まれてメンバーチェンジと改名を余儀なくされ、1991年の復活までは活動は暗礁に乗り上げてしまいます。
ですが、奇跡の復活が遂げられたのはファンの支えがあってのこと。
そんなファン達が心から愛したであろう名曲です

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