【曲紹介】Battle Beast / Black Ninja

バトル・ビースト / ブラック・ニンジャ (2013)

2008年にフィンランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
2013年に発表された2枚目のアルバム[Battle Beast]の12曲目に収録されています。

80年代にアメリカのメインストリームだったキャッチーなサウンドと、北欧メタルを現代風に融合した人気バンドです。
耳障りの良さと激しさのバランスが優れた独自のスタイルで世界中から注目を浴びました。
地元のインディーズレーベルからリリースしたデビューアルバム[Steel]がフィンランドの音楽チャート7位にランクインし、ドイツの大手レーベルであるNuclear Blastへと移籍。
家庭の事情により已む無く脱退したNitte ValoからNoora Louhimoへシンガーが交代して発表した出世作から、ヒットシングルとなった人気曲です。

スローなテンポでリフを主体とするヘヴィメタルにおいて王道のスタイルでありながらも、シンセを大掛かりに導入してPOPな感覚も忘れない非常に欲張りなアレンジに仕上がっています。

新加入のNoora Louhimoは、圧倒的な声量とパワーで押しまくる前任者に対して、ソフトで繊細な声とドスの聴いたしゃがれ声を自在に使いこなすとても器用なシンガーであり、この曲でもその持ち味を十二分に発揮しています。
Aメロではまるで乙女のような声で囀り、サビでは天を突くような強烈なシャウトを披露するので、まるで一人二役をこなせる名役者のようです。

ギターソロにおいても、前半部分はクリーントーンのメロウなプレイに徹し、後半でヘヴィメタルらしいエモーショナルなものに変化するところなどは楽曲の持つコンセプトを一貫して貫いている印象を与えています。

ラストに進むにつれて徐々に音数が増えて盛り上がっていき、最後は激しいツインバスの連打とギターの速弾きの上にサビのシャウトを被せる非常に心躍る展開が待っています。
こういったシンプルな構成の楽曲をヒットさせるためには一本調子にならない工夫が必要不可欠ですが、ここまでバランスの良いアレンジを作り上げるセンスは只者ではありません。

ライブでも演奏される機会が非常に多い人気ナンバーとなっており、サビではオーディエンスを含めてタイトルを絶叫するのが定番となっています。
ヘヴィメタルにおいて、幅広いファンにアピールできる丁寧に作り込まれた名曲です。

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