人間椅子 / 夜叉ヶ池 (1991)
1987年に青森県弘前市で結成されたロックバンド。
1991年に発表された2枚目のアルバム[桜の森の満開の下]の5曲目に収録されています。
結成当初から3ピースのスタイルを貫き、一度も休止や解散せずコンスタントに活動を続けるベテランバンドです。
1989年に当時人気だったコンテスト番組[三宅裕司のいかすバンド天国]に出演し、絶賛を浴びたことでメジャーデビューを果たします。
[Black Sabbath]をはじめとしたブリティッシュロックの王道サウンドに文学的な日本語の歌詞を乗せた独特のスタイルがアンダーグラウンド愛好家の間で話題となりました。
オリコンチャートでも31位にランクインし、日本においてこのようなマニアックな音楽性のバンドとしては異例の状況です。
その勢いに乗るためか、デビュー作からわずか10ヶ月足らずで発表されたのが本作です。
その中から、ライブでの定番となった長尺の人気ナンバーがこちらです。
あのOzzy Osbourneにも認められ、OZZFESTJAPANへ二度も出演を果たしたジャパーニズハードロックのレジェンド的バンドです。
そんな彼らもこの頃はメジャーデビューしたばかり。
初のシングルとして発表され、Music Videoも作られたナンバーです。
7分22秒のプログレッシヴな大作なのに
頭おかしいですね。
いい意味で。
暗く絶望的なギターのアルペジオをバックに、日本民謡チックなメロディを淡々と歌われるのですが、ここまでくると、昭和フォークソングの世界です。
まるで暗い森の中を彷徨い歩いているかのような錯覚に陥ります。
こんなのをずっと聞いていたら頭がおかしくなりそう。
そんなことを考えた始めたあたりでコード進行が一気に明るくなり、ブリティッシュトラッド風味の開放的な雰囲気に展開していきます。
Led ZeppelinのStairwat To Heavenにもよく似た雰囲気。
なんともプログレッシヴ!
ですが、一筋縄でいかないのが人間椅子です。
徐々にテンポがアップし、上がり切ったところで超ヘヴィなギターリフが炸裂します。
きたぁぁぁぁぁ!
そう、この曲は3分47秒ぐらいからが本番です!
Black Sabbath直系のドロドロしたアップテンポのハードロックに曲調がガラリと変わります。
フェードアウトで曲が終わるまで、ずっとこの展開です。
3部構成とも言えるこのドラマチックな展開には脱帽です。
ハードロックだけでなく、プログレッシブロックにも非常に入れ込んでいるバンドだからこそですね。
初期の人間椅子を代表する超名曲です。
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