【曲紹介】Coldplay / A Sky Full Of Stars

コールドプレイ / ア・スカイ・フル・オブ・スターズ (2014)

1997年にイングランドで結成されたロックバンド。
2014年に発表された6枚目のアルバム[Ghost Stories]の8曲目に収録されています。

世界で累計1億枚以上の作品を売り上げたをモンスターバンドです。
作品を発表する度に数多くの国の音楽チャートで1位を獲得し、世界のトップに君臨するバンドの仲間入りを果たしました。
それに伴い、音楽性も徐々にデジタルなテクノロジーを導入したものへと変化。
本作は、エレクトロニカなサウンドにダークで儚い雰囲気のエッセンスを追加した落ち着いた作風となりました。
その中から、アルバムの中でも異色の明るく開放感のあるナンバーがこちらです。

当時ソロアルバムが世界中で大ヒットを記録していた[Avcii]がプロュースを担当し、バンドサウンドとEDMを見事に融合した透明感漂うダンサブルなサウンドです。
タイトルに込められた「満天の星」を見事に表現している前向きで煌びやかな雰囲気に満ち溢れています。
イントロで鳴り響くピアノリフが溶けていくかのようにぼやけて行き、伸びやかなChris Martin(Vo)の歌声と混ざっていく展開で一気に曲の世界観に引き込まれます。
盛り上がりに合わせてシンセが徐々に顔を出し、大爆発で全てが吹き飛んだかのような開放的なサビに繋がるアレンジは[Avcii]の得意技。
彼の大ヒット曲である[Wake Me Up]でも聴くことができます。

EDM色が濃いと言っても、よく聞けばしっかりと楽器も主張しています。
サビではシンセに重なってJonny Buckland(Gt)のギターカッティングが聴けますし、アコースティックギターのバッキングやディレイを強くかけたクリーントーンのアルペジオも彼によるもの。
リズムセクションも激しくエフェクトをかけて加工されたサウンドではありますが、生楽器で演奏をしていることがわかります。
アナログ楽器とデジタル楽器が極めて自然に混ざり合っているため、検証をするつもりで聴かないと気が付かないレベルです。

曲の雰囲気は前向きで希望に満ちているのですが、中身は意外なことに相当後ろ向きです。
作詞をしたChris Martinは10年連れ添った妻と離婚し、自暴自棄になった気持ちを綴っています。
皮肉を込めてかつて妻だった人物を褒め称える、曲調とのギャップに英国人らしいウィットに富んだセンスが伺えます。

これまでのColdplayらしさは僅かながらに残っていますが、ロックバンドらしいサウンドからは大きく離れて行きました。
これを良しとしないファンも少なからずおりましたが、作品を発表するたびに音楽性を大きく変えていく彼らの全てを受け入れるファンも多数いることも事実。

若くしてこの世を去ったスウェーデンの天才と、英国を代表するトップバンドが見事な化学反応を起こしました。
EDMとロックミュージックの垣根を粉々に叩き壊した名曲です。

Coldplayの他の楽曲紹介はこちら!

アルファベット別の記事一覧はこちら!

コメント

タイトルとURLをコピーしました