アット・ヴァンス / オンリー・ヒューマン (2002)
1998年にドイツで結成されたメロディックメタルバンド。
2002年に発表された4枚目のアルバム[Only Human]の2曲目に収録されています。
ヴォーカルもギターも超一流で曲も決して悪くないのに、商業的には全くパッとしないバンドです。
理由は単純明快。
全く冒険をせず、メロディアスなネオクラシカルメタルを愚直なまでに貫いているからです。
ただ、この曲は別格です。
とにかく、イントロのリフからインパクトが強烈!
サビのメロディもリフをなぞるだけで成り立ってしまうほど!
ソングライターであるOlaf Lenkの眠った才能が大爆発しています。
もちろん、シンガーのOliver Hartmannは素晴らしい歌唱力の持ち主なので安心して聞いていられます。
彼の実力をついに100%引き出せたのではないでしょうか。
ただ、この曲の弱点が一つあります。
それがドラム!
おそらく、電子ドラムで録音されています。
音の表情が少なすぎるんです、
シンバルの音の残響音が常に同じ長さです。
生で叩いていたらこんな現象起こりません。
ハイハットの音もいきなり開いたり閉じたりの音に切り替わるので違和感があります。
通常、盛り上がるシーンでは徐々にハイハットの開き具合を大きくしていくのですが、この曲はクローズ音からいきなりオープンの音に変わります。
リズムには人間的なノリが感じられるので、打ち込みではないことは確かです。
ドラムのレコーディングって、凄くお金がかかるんです。
レコーディングスタジオは時間貸しのところが多くあります。
ドラムをセットするだけでも時間がかかるのに、そこからチューニングをしてマイクのセッティングをして、音の微調整をして。
途方もない時間がかかります。
その点、電子ドラムはマイクを立てる必要がないし、音作りもプリセットされている音から選べばいいので非常に楽!
相当な時間短縮に繋がります。
マイナーなバンドにありがちな、予算の都合でこうなったのでしょう。
ただ、これはドラマーの立場からの感想です。
こんな細かいところ、いい音楽にはどうでもいい要素だと思います。
たまたま、自分がドラムを叩いてレコーディングも経験して、ミックスやマスタリングの仕事をしていたので、気になりました。
ただ、この曲は上げた部分を改善すれば絶対に超名曲に化けるはずです。
どうか、最高のレコーディング環境で再録を!
コメント