ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン / ノー・ウェイ・アウト (2015)
2003年にウェールズで結成されたヘヴィメタルバンド。
2015年に発表された5枚目のアルバム[Venom]の2曲目に収録されています。
デビュー以来、Iron Maidenからの強い影響を軸に、売れているヘヴィメタルはなんでも貪欲に吸収したメタルコアサウンドが話題を呼び、一気に人気バンドへの階段を駆け上がりました。
いくらかソフトになった[Temper Temper]で人気が失速するも、本作ではハードな音楽性を取り戻して過去最高の売り上げを記録しています。
メタルとしての派手さは初期に譲りますが、しっかりと作り込まれたシンプルな曲構成にはベテランの貫禄が感じられます。
演奏も、かなり堅実。
ギターリフはテクニカルですが、クリーンのアルペジオやスネアのロールなどで静かに聴かせるところは音の隙間をしっかり確保して聴き易く仕上げています。
もちろん、バンドとして抑えておくツボは完全に網羅。
激しいツーバスの連打もあれば、各パートでの歌い分けもきっちりできています。
Aメロでは激しいスクリーム
Bメロでは囁くような声
サビではメロディアスなクリーンボイス
まさに、メタルコアのお手本のようです。
人によってはありきたりすぎてつまらないと感じる人もいるかもしれません。
それだけ基本に忠実です。
ただ、過去のファンたちからはかなり好意的に捉えられています。
極端にメロディアスになったり、逆にヘヴィになり過ぎてファンを失うメタルコアバンドも多い中、どっしり構えて王道のサウンドを貫いたのが逆にプラスに働いたのかもしれません。
ベテランバンドとしての風格と自分たちのルーツにより近づいた再出発の予感を感じさせる1曲です。