トーキョー・ブレイド / ナイト・オブ・ザ・ブレイド (1984)
1979年にイングランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
1984年に発表された2枚目のアルバム[Night Of The Blade]の2曲目に収録されています。
NWOBHMのムーブメントに乗ってデビューしたシーンを代表するバンドとしてマニアに愛されています。
1983年にリリースしたセルフタイトルのデビューアルバムはブリティッシュメタルらしい美しいツインリードのアンサンブルが話題となり知名度を高めます。
アメリカでの供給先であるCombat Recordsのレーベルメイトである[Venom]や[Metallica]等とフェスティバルで共演を果たしたバンドは、次なるアルバムの制作へ着手。
レコーディングも完了し、リリースの準備を進めていた矢先にAlan Marsh(Vo)が脱退するアクシデントがバンドを襲います。
ですが、後任に当時17歳のVicki James Wright(Vo)を迎えて突貫工事でヴォーカルパートの録音をやり直しました。
急なシンガーの交代に加え、レコード会社がバンドに無断でアルバムの曲順を変更するなど波乱万丈のリリースとなりましたが、ファンの間ではバンドの最高傑作と名高い名盤となりました。
その中からトップクラスに人気の高いスピードナンバーがこちらです。
勢いを武器に、荒削りながらも突っ走っています。
ドカドカを踏み鳴らされるツーバスの連打は、[Iron Maiden]や[Judas Priest]とは一線を画す、後のパワーメタルにも繋がる特にアグレッシヴなスタイルです。
この時代のヘヴィメタルバンドは、70年代のブリティッシュハードロックを更に激しく演奏するスタイルに発展させたバンドが大半を占めていました。
なので、90年代以降のメタルを通過した耳にはソフトに聴こえます。
ですが、この曲はヘヴィメタルから生まれたヘヴィメタル。
純度100パーセントです!
当時のシーンでは、ここまで激しい曲を演奏するバンドはなかなか存在しなかったと思います。
ただ、さすがはイギリスのバンド。
湿り気のあるツインリードでのソロは、[Wishbone Ash]などの先輩たちが切り開いたスタイルを継承しています。
一旦スローになったところから一気にアクセル全開で弾きまくる展開には鳥肌が立ちます。
今作からシンガーとして加入した、当時17歳だったVic Wrightの元気いっぱいの歌も非常に聞いていて爽快です。
前任シンガーAlan Marshの湿り気のある声も素晴らしいのですが、突き刺さるようなハイトーンでグイグイとバンドを引っ張る若い声が楽曲の破壊力を増幅している印象です。
ブリティッシュメタルを語る上で、絶対に外すことのできない超名曲、ここにあり!
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