【曲紹介】Stratovarius / Black Diamond

ストラトヴァリウス / ブラック・ダイアモンド (1996)

1984年にフィンランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
1996年に発表された6枚目のアルバム[Visions]の2曲目(日本盤は1曲目)に収録されています。

北欧地域におけるメロディックパワーメタルの代表格として活動を続けるベテランバンドです。
1989年のデビュー当時は殆ど知られていないマイナーな存在でしたが、ヨーロッパとアジア圏で徐々に人気を高めていきます。
1995年には新メンバーに[Silver Mountain]や[Yngwie Malmsteen]との活動で知られるJens Johansson(Key)と、ドイツの渡り鳥として知られるJörg Michael(Dr)を迎え入れて[Episode]を発表。
これまで古き良き北欧メタルから王道のメロディックパワーメタル路線にシフトチェンジしたことでメジャーなバンド達と方を並べる存在となります。
それに続く本作は何とフィンランドのアルバムチャートで4位を獲得し、母国を代表するバンドの仲間入りを果たします。
ファンの間では最高傑作と呼ばれることも多くある名盤から、屈指の人気を誇るクラシカルでドラマチックなスピードナンバーがこちらです。

Jens Johanssonがチェンバロで奏でるクラシカルなフレーズが核となっており、これ無しでは語れません。
イントロで延々と繰り返されるので、嫌でも耳にこびりつきます。
そこに激しいツインバスの連打で疾走するビートが加わるアレンジは、ある意味衝撃的でした。
あまりにも安直なことをここまで堂々とやってくれると、恥ずかしさを通り越して清々しさすら覚えます。
このむず痒い気持ちがメロディックパワーメタルの醍醐味です。

このフレーズは、サビでも登場します。
美しいコーラスを支えるように鳴っているのを聴くと、イントロで散々聴かされたにも関わらずまた聴けたことに一種の安堵感を覚えます。

更に、ギターとシンセの激しいソロバトルが終わった後にも再度登場します。
全ての楽器がブレイクしてギターソロと共にドラマチックな展開を彩り、そのまま最後のサビへと突入するのです。
アウトロでは感情移入するがあまり声が裏返るTimo Kotipeltoを宥めるかの如く支え、チェンバロだけをそのまま全ての楽器がフェードアウト。
最後に残った主役もしばらくソロを奏でた後に消えていきます。

その強烈なアレンジに、聴いた後は茫然自失となるでしょう。
全てはチェンバロのために存在すると言っても過言ではありません。
どんなに他のパートが目立とうとしたところで、シンプルなフレーズのリフレインには到底勝てないという事実をまざまざと見せつけられた気持ちになります。

聴けば聴くほど虜になってしまうこの曲は、コンサートでは絶対に欠かすことのできないものとなりました。
日本のレーベルが、元々2曲目に収録されていたのを無理矢理1曲目に変えさせたという話も納得がいきます。
90年代の北欧を代表する名曲です。

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