【曲紹介】Rick Astley / Never Gonna Give You Up

リック・アストリー / ギヴ・ユー・アップ (1987)

1985年から活動を開始したイングランド出身のシンガーソングライター。
1987年に発表したデビューアルバム[Whenever You Need Somebody]の1曲目に収録されています。

アイドルのようなルックスと、そこからは想像できないソウルフルな歌声とのギャップで人気を博しました。
高校卒業後にR&BバンドのFBIに加入してドラマーとして音楽活動を始めますが、プロデューサーチームであるStock Aitken Watermanに見出されて20歳でシンガーへと転向します。
その後RCA Recordsと契約を結んでデビューシングルを発表すると、なんと25カ国の音楽チャートで初登場1位に輝きます。
デビューアルバムもヨーロッパ各国のアルバムチャートで1位を独占し、シンガーへの転向は大成功となりました。
その中から、未だ本人も破れていない最大のヒット曲がこちらです。

澄み渡るような青空をイメージしたダンスポップで、80年代中盤にヨーロッパで量産されたヒット曲のテンプレートです。
ですが、無個性なアレンジの上には、個性の塊のような声が乗ります。
一聴するとアフリカ系のソウルシンガーが歌っているように聞こえますが、実際に歌っているのは爽やかな好青年です。

伝説のソウルシンガー[Luther Vandross]に影響を受けた野太い声はインパクトが抜群です。
歌声を聞いた後に姿を見たリスナーは、さぞかし衝撃を受けたでしょう。
アメリカの[Christopher Cross]とはまた逆の衝撃です。

楽曲を制作したStock Aitken Watermanはこの当時、ヒット曲を量産しておりました。
リズムマシンとシンセベースをテンプレートにした同じような曲を完成させ、それぞれ違うシンガーに歌わせる手法です。
この曲がヒットした要因は、Music Videoを上手く使ってルックスと声のギャップを演出したことにあります。
ヒットにおいて、視覚効果も重要なファクターであると再認識させられます。

Rickは若くして栄光を手にしましたが、家庭を優先したセルフプロデュースでの活動にシフトチェンジします。
そのため、第一線での活動からは距離を置きますが、2007年頃にとある現象で再度注目を浴びます。
詳しくは【Rickroll】と検索をしてみてください。

本作は80年代POPミュージックのスタンダードです。
今後も歴史的価値のある遺産として末長く語り継がれるでしょう。

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