【曲紹介】Aerosmith / Mama Kin

エアロスミス / ママ・キン (1973)

1970年にアメリカのボストンで結成されたロックバンド。
1973年に発表されたデビューアルバム[Aerosmith]の5曲目に収録されています。

アメリカンハードロックの象徴として、長年に亘りシーンのトップに君臨しているレジェンドバンドです。
Joe Perry(Gt)とTom Hamilton(Ba)にSteven Tyler(Vo)が声をかけたことがきっかけで結成。
Joey Kramer(Dr)とサイドギターにRay Tabano(Gt)が加入し、新メンバー達の考えたバンド名とロゴを採用して[Aerosmith]として活動を開始します。
しかし翌年にRay Tabano(Gt)が脱退。
新たにBrad Whitford(Gt)を迎えて精力的なライブ活動を続けていく中で、地元ボストンの有力なプロモーターの運営するマネジメント会社と契約。
才能に惚れ込んだプロモーターの熱心な後押しと交渉の結果、なんとColumbia Recordsからのデビューが決まります。
短期間の演奏力強化合宿を挟んでレコーディングに臨んだデビューアルバムは、ブリティッシュロックからの影響が強い初期衝動溢れるハードロック作品となりました。
その中から、Steven Tyler(Vo)がバンド結成前から温めておいた軽快なナンバーがこちらです。

荒々しくもインパクト絶大なスタンダードなギターリフと、まだ初々しさの残るアンサンブルがデビュー間もない若者達の大きな魅力です。
低予算でのレコーディングなので音質は決して褒められたものではありませんが、底知れぬパワーが込められています。
それもそのはず、Steven Tyler(Vo)はこの曲をバンドの最初のヒットソングにしようと並ならぬ気概で他のメンバー達の指導に熱を込めました。
他のメンバー達とは2つか3つ年上の地元では一目置かれる存在である彼に尻を叩かれ、目を向いて演奏をするバンドの姿が浮かんできます。

60年代のブリティッシュロックに大きな影響を受けたシンプルなR&Rは、少し陰のあるアルバムの他の楽曲と比べても異彩を放っています。
グラマラスでキャッチーなアッパー系の雰囲気が満載で、要所で入るゲストで参加しているDavid WoodfordのSaxが実にいい味です。
Steven Tyler(Vo)のR&Bやゴスペルを模倣した独特な歌い回しも、後に聴くことができない魅力的な要素。
ロックスターへの道を模索するにつれて表現の幅は増えましたが、少ない武器でベストを尽くしている貴重なテイクです。

後にコンサートでの定番ナンバーとなるばかりか、Steven Tyler(Vo)はこの曲のタイトルを腕に入れるほどタトゥーで掘るほど思い入れが強いようです。
結果的にこの曲ではなく[Dream On]がシングルヒットとなりましたが、アルバムを手にしたファンがフェイバリットに挙げることも少なくありません。
アメリカンハードロックの歴史を彩る名曲です。

Aerosmithの他の楽曲紹介はこちら!

アルファベット別の記事一覧はこちら!

記事一覧(アルファベット順)
これまで紹介した記事をアーティスト名のアルファベット順で並べています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました