【曲紹介】Alien / Go Easy

エイリアン / ゴー・イージー (1988)

1986年にスウェーデンで結成されたハードロックバンド。
1988年に発表されたデビューアルバム[Alien]の3曲目に収録されています。

北欧のバンドらしい哀愁漂う美しいメロディやコーラスワークが特徴的で、後にメロディアスハードと呼ばれるジャンルを確立させた代表的な存在として話題に上がることの多い伝説的バンドです。
[Marbles](60年代のフォークデュオで、片割れは後に[Rainbow]に加入してハードロッカーへ転身するGraham Bonnet)の人気曲である[Only One Woman]のカヴァーをデビューシングルとして発表するなり、スウェーデンのチャートで6週に渡って1位を記録しました。
そうした中、期待を込めて発売されたデビューアルバムの中でも特に人気の高いナンバーがこの曲です。

爽やかで清涼感のあるメロディの中にも、哀愁を感じさせる要素がほんのりと隠し味程度に散りばめられており、北欧のバンドにしか出せない独特の雰囲気を演出しています。
照りつける太陽が眩しい雲一つ無い青空の下を、ひんやりとした涼しい風が吹き付ける真夏の昼下がりの風景が浮かんできます。

この雰囲気作りに多大な貢献をしているのが、イントロの煌びやかなシンセの音色とサビでの幻想的なハーモニーを聞かせてくれるコーラスです。
どちらも過剰な主張はしておらず、ほんの味付け程度に楽曲と共存しているだけなのですが、これがあるのと無いのとでは大違いです。

そして、この曲の主役であるJim Jidhedのソウルフルな歌唱たるや、まさに至高そのものです。
高いキーを歌う際の絞り出すような歌声が、爽やかな曲調の中であっても強烈な哀愁を演出しています。

リーダーであるTony Borgのギターも、地味ながらも実にツボをついたプレイで楽曲を彩っています。
実は卓越したテクニックを持っていながらも、それをひけらかさない職人肌のギタリストであることが伺えます。
たったの8小節しかないギターソロなのですが、無駄を一切省いた聴きどころたっぷりのプレイは一聴の価値ありです。

後に全米デビューする際にリミックスが施されましたが、垢抜けないスウェーデンのバンドとしてのアイデンティティを感じたいなら、断然こちらのオリジナルヴァージョンがおすすめです。
北欧のメロディックなハードロックとしては究極系とも言える歴史に残る名曲です。

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