【曲紹介】Tierra Santa / Hamlet

ティエラ・サンタ / ハムレット (2003)

1997年にスペインで結成されたヘヴィメタルバンド。
2003年に発表された5枚目のアルバム[Indomable]の4曲目に収録されています。

2000年以降のスパニッシュメタルシーンを代表するベテランバンドです。
結成後間もなく自主制作で発表したデビューアルバムの[Medieval]が思いもよらない好セールスを記録。
その噂を聞きつけた[Dio]がなんと彼らをスペインツアーのオープニングアクトに抜擢します。
レーベル契約前ながらもスペイン国内での知名度が上がり、地元の振興専門レーベルであるLocomotive Musicと契約を結ぶことに成功。
1年おきに作品のリリースを繰り返しながら、スペイン国内で着実にファンを増やしていきます。
結成当初は発展途上だったアンサンブルも徐々に改善され、ワールドワイドでリリースされてもおかしくないレベルまで成長を遂げました。
前作から2年ぶりに発表された本作は、スピード感に溢れるメロディックな楽曲がたっぷりと詰まったバンドの初期の代表作です。
その中から、スピード感溢れるメロディアスなナンバーがこちら!

[Iron Maiden]からの影響が強いキャッチーな短音リフがこのバンドのトレードマーク。
軽快なビートに乗せて突き進む、王道のスピードナンバーです。
ですが、曲ではシンセのサウンドを強調したクラシカルなフレーズも多用しており、[Rainbow]にも似た雰囲気もほのかに混ざり合っています。
それぞれのバンドの魅力をバランスよく配分しており、80年代のヘヴィメタルを愛好するリスナーの多くにアピールできる内容です。

彼らだけでなくスペインで活動するバンドの多くは母国語での歌唱に拘りを持っていますが、そこも魅力の一つです。
スペイン語の持つ独特のアクセントがメロディに哀愁を与え、独特の巻き舌は否応にも耳に絡みついて離れません。
言霊の持つ力を改めて感じさせてくれます。
Ángel San Juan(Vo)は情熱的に熱唱するスタイルで、演歌や昭和歌謡のメロディラインがDNAに刻まれているを日本人の琴線には特に響くのではないでしょうか。

長いギターソロも聴きどころの一つ。
多少の粗さは感じられど、ハイテンションに感情に任せたアドリブプレイを連発しています。
アーミングを使ったアクロバティックなフレーズや、溜め気味のリズムで粘りつくように奏でるメロディラインは楽曲を熱く彩っています。
この手のバンドでは珍しくツインリードのハーモニーは用いず、後半部分では2本のギターをオクターブを重ねてフレーズを印象付けるのが個性的です。

レコーディングにも慣れ、ステージの場数を踏んだことにより貫禄も出てきました。
海外には目を向けずにあえてスペイン国内での活動にとどまっていますが、この作品をリリースする頃には日本国内でも作品は輸入されてマニアの口コミで徐々に名が知られてきています。
本作を境によりメロディアスなサウンドににシフトする彼らが残した、スパニッシュメタルマニア御用達の名曲です。

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