【曲紹介】Nightwish / Stargazers

ナイトウィッシュ / スターゲイザーズ (1998)

1996年にフィンランドで結成されたシンフォニックメタルバンド。
1998年に発表された2枚目のアルバム[Oceanborn]の1曲目に収録されています。

シンフォニックメタルをメインストリームに浸透させたフィンランド屈指の人気バンドです。
デビューアルバムの[Angels Fall First]はアマチュア時代のデモ音源をレコーディングし直した作品でありながら、フィンランドのアルバムチャートで31位を記録しました。
ここで自信をつけたバンドは、プロとして初の本格的なレコーディングに臨みます。
実質的なデビュー作とも言える本作は世界流通となり、フィンランドでもアルバムチャート5位にランクインする異例の大ヒットとなりました。
その中から、初期の代表曲として人気の高いナンバーがこちらです。

デビューアルバムを聴いていたリスナーなら、イントロを再生した途端に「化けた」と確信するでしょう。
シンフォニックな味付けが大幅に増えた部分はもちろん、メロディの充実ぶりには驚かされます。
北欧のバンドらしい哀愁をたっぷり含んだキャッチーなメロディ。
特にイントロやサビで何度も聴けるメインの旋律は、多くのファンの心を掴んで離しません。

クラシカルなアレンジにも迷いがありません。
イントロに導入した分厚いシンセストリングスやギターとチェンバロのユニゾンパートは、定番と呼ばれるほど使い古されたものです。
ですがあえてパワーメタル風のサウンドに導入することで、聴くものに強烈なインパクトを与えます。
掴みが重要なアルバムのトップを飾るナンバーに相応しいアレンジです。

Tarja Turunen(Vo)の声も曲に馴染んでいます。
この曲が発表された当時は、ヘヴィメタルにソプラノボイスをメインに置いてヒットを飛ばすのは前代未聞でした。
過去にも同じスタイルのバンドは存在しましたが、一部のマニア向けたゴシックで陰鬱なサウンドが殆どです。
そんな中でも自然と歌わせることのできるキャッチーなメロディラインを作り上げたTuomas Holopainen(Key)のセンスは目を見張るものがあります。

間奏でのオペラ風のパートも、当時としては斬新でした。
過去にスウェーデンの[Therion]が[To Mega Therion]で似たことをしていましたが、メインのシンガーが別にいる中での味付け程度のアレンジです。
リードシンガー自らがこういったパートを兼任できるケースは滅多にありません。
後に多くのシンフォニックメタルバンドが模倣としたのも頷けます。

この頃は[Rhapsody]の[Emelrald Sword]が大きな話題となり、シンフォニックメタルの人気が加熱した時期。
間違いなくムーブメントの後押しとなったであろう名曲です。

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