【曲紹介】Hibria / Tiger Punch

ヒブリア / タイガー・パンチ (2008)

1996年にブラジルで結成されたヘヴィメタルバンド。
2008年に発表された2枚目のアルバム[The Skull Collectors]の1曲目に収録されています。

驚異的なハイトーンを持つシンガーとテクニカルなアンサンブルが話題となったバンドです。
自主制作で発表したシングルがインターネットを通じて話題となり、ドイツのRemedy Recordsとの契約を獲得しました。
2004年にはデビューアルバム[Defying the Rules]が世界各国でリリースされ、硬派なパワーメタルサウンドは多くのファンから大絶賛を浴びます。
その後ドラマーのSavio Sordi脱退するも、新メンバーにEduardo Baldoを迎えてセカンドアルバムのレコーディングに着手。
前作から4年ぶりにリリースされた本作は、前作と同じ路線ながらも更にアグレッシブになったサウンドでファンを喜ばせました。
その中から、特に人気の高いバンドの代表曲がこちらです。

ベースの高速タッピングと手足コンビレーションを絡めたドラムのフィルインでスタートする強烈なイントロから、バンドの持つポテンシャルの高さをビリビリと感じます。
ハイテンポで疾走する楽曲の中でも、音数の多い複雑なギターリフをはじめとするテクニカルなフレーズが散りばめられており、技術面で前作から大幅なレベルアップを遂げました。

中でも凄まじいのがシンガーのIuri Sansonです。
声域が広く圧倒的なハイトーンを難なく出せる上に、どれだけ音域が高くなっても線が細くならないパワーも持ち合わせています。
Rob RockやMike Vesceraを最初に聴いた時にも近い衝撃でした。
地元ブラジルではボイストレーナーの仕事もしているそうで、納得の実力者です。

この声で語感のいいタイトルを叫ぶサビは衝撃的です。
おそらく虎のように強烈な一撃を食らわせる意味なのでしょうが、日本語で生活をしているとまず使われることのない組み合わせです。
むしろ、子供が戯れ合いの中で考えるオリジナルの必殺技になることも多くあります。
そんな言葉を全力投球で叫ぶことで感じる羞恥心にも似たカタルシスが癖になります。

曲をよく聴いてみると意外なことにオーソドックスなパワーメタルです。
メロディラインも強烈にキャッチーかと言われてば、そうでもありません。
ですが歌も演奏もとにかく派手であるため、自然と耳が向くように工夫が凝らされています。
シンプルな醤油ラーメンを、派手な具材でトッピングして彩ったような感覚です。

当時活動していたメロディックパワーメタルの中では頭ひとつ飛び抜けた存在でした。
ブラジリアンメタルを代表する名曲です!

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コメント

  1. アカバネ より:

    初めまして。
    去年の記事にコメントをしてしまって申し訳ないです。

    私も十余年前に一時期ヒブリアにハマっておりまして、タイガーパンチも好きだったのですが、このダサいタイトルはなんやねんと思っていました。

    昨日独り酒を嗜んでいた所、ふとまたタイガーパンチを聴きたくなり数年ぶりにMVを観ました。

    そしてピンときたのです。

    MVに何故か戦闘機が出てきます。

    あれはアメリカ製のF-5E…愛称はタイガーⅡです。

    アメリカではとっくに退役しておりますが、ブラジルでは近代改修しながら50年近く現役で活躍しています。

    歌詞も
    何奴かに攻撃された!でもタイガーパンチで撃退!空の王者タイガーパンチ!
    みたいな感じです。

    つまり、タイガーパンチとはブラジルの空を護るタイガーⅡ戦闘機によるミサイル攻撃(で敵をやっつける事)と推察しました。

    この事実に昨日気づいてTwitterにも投稿したのですが、あいにくメタラーのフォロワーが居ないため全く誰からも反応されない始末であります。

    タイガーパンチについて疑問に思う方、たった1人にでもこの事をお伝えしたくてコメントさせていただきました。

    長文失礼しました。

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