【曲紹介】Dio / Stand Up And Shout

ディオ / スタンド・アップ・アンド・シャウト (1983)

1982年にニューヨークで結成されたヘヴィメタルバンド。
1983年に発表された1枚目のアルバム[Holy Diver]の1曲目に収録されています。

[The Beatles]と同じ時期に活動を始め、[Elf]、[Rainbow]、[Black Sabbath]と数々のバンドを渡り歩いてきた実力派シンガーのRonnie James Dio。
メンバー間の意見の相違が原因で[Black Sabbath]をVinny Appice(Dr)と共に脱退後、2人は新しいバンドの結成に乗り出します。
ベーシストとして[Rainbow]時代に活動を共にしていたJimmy bainが、ギタリストには[Rough Cutt]や[Ratt]で活動していたJake E Leeが加入しますが、すぐさま元[Sweet Savage]のVivian Campbellに交代してラインナップが揃います。
多くのファンからの期待を背にリリースされたデビューアルバムは、ストロングなメタルサウンドに溢れた作品となって多くのファンからの絶賛を浴びました。
特にアジアとヨーロッパでの売り上げは驚異的で、一気にヘヴィメタルを代表するバンドに躍り出ることに成功しました。
その中から、バンドの代表曲ともなっているアルバムのトップを飾るアップテンポナンバーがこちらです。

スピード感と切れ味抜群のメインリフの衝撃は凄まじいものでした。
当時はブリティッシュメタル全盛期で、Ronnie James Dioの在籍していた[Rainbow]や[Black Sabbath]は世代交代によって古い音楽として扱われていました。
そんな彼のバンドがここまで攻撃的なサウンドで攻めて来ようなど、誰も想像できなかったと思います。
Vivian Campbellの弾く強烈なギターソロも秀逸です。
同郷の[Gary Moore]に多大な影響を受けたマシンガンピッキングは多少のミスはなんのその、音をどれだけ詰め込めるかヤケクソじみた勢いを感じさせます。

Vivian Campbellのギターに負けじと、Vinny Appiceのドラミングも派手に大暴れしています。
前のめりのリズムでビートを刻み、隙あらば手数の多いフィルインを捩じ込む若さ溢れるプレイです。
ギターソロ前のメロディックな高速タム回しは、まるで急な傾斜を転がり落ちるような凄まじい勢いです。

20代の若い2人に負けじと、年長者の2人も食い下がります。
作曲者としてクレジットされているJimmy Bain(当時35歳)はアタックの非常に強いベースサウンドで強烈なアクセントを刻み、暴走しがちなギターとドラムを正確なピッキングでコントロールします。

リーダーで主役のRonnie James Dio(当時40歳)は、まるで水を得た魚のように声を張り上げて今にも噛み付かんばかりの熱唱を聴かせてくれます。
「立ち上がれ!そして叫べ!」と親子ほど歳の離れたフラストレーションの溜まった若者達を先導するに相応しいパフォーマンスです。
これまでファンタジーを題材にした内容を歌っていた彼からは想像もできない若々しいテーマに驚いたリスナーも多いのではないでしょうか。

デビューアルバムのオープニングにして、バンド屈指の代表曲を作り上げてしまいました。
これも、新しいバンドで一旗上げようとするメンバー全員の野心が具現化したからに他ありません。
永遠に語り継がれるメタルアンセムです。

Dioの他の楽曲紹介はこちら!

アルファベット別の記事一覧はこちら!

コメント

タイトルとURLをコピーしました