カルマー / ワン ・オブ・フェイル (2010)
1998年にフィンランドで結成されたメロディックデスメタルバンド。
2010年に発表された6枚目のアルバム[12 Gauge]の2曲目に収録されています。
同郷の[Children Of Bodom]と共に北欧的なメロディとシンセのサウンドを全面に押し出した正統派ヘヴィメタルにデスボイスを乗せる独特のスタイルで注目を浴びました。
デビュー以降は大幅な音楽性の変化はあまり無く、平均して2年に1枚のペースで作品をコンスタントにリリースをします。
バンド自身のセルフプロデュースで臨んだ本作は、シンフォニックでスッキリしたサウンドだった前作とは対照的に、スピードとアグレッションに満ち溢れた名盤となりました。
その結果フィンランドの音楽チャートは15位に食い込み、過去最高の売り上げを記録しました。
その中から、狂おしいほどに叙情的でドラマチックなギターソロが印象的なスピードナンバーがこちらです。
寒さが音になって押し寄せてくるようなイントロのシンセを聞いただけで、胸が踊りませんか?
そこに、北欧民謡のメロディを奏でるギターが重なるのですから、この手の音楽が大好きな人間は身を捩って喜ぶでしょう。
このバンドはデビュー当時からスタイルを大きく変えることは一切していません。
メロディアスなプレイを大事にしながらも、ブラストビートや高速2ビートを織り交ぜながら爆走するスタイルは健在ながらも、今回は音が非常に分厚くなっています。
初期の低予算丸出して薄っぺらいサウンドから、メジャーバンドにも引けを取らない図太い音に大変身しており、エクストリームメタルバンドらしいアグレッシヴな雰囲気作りにも多大な貢献をしています。
それでいて、初期のようなクサいメロディを連発してくれるのですから、聞いているこちらは「よくぞやってくれた!」ですよ。
この曲のハイライトはギターとシンセのソロバトルです。
緊張感のあるソロのバトルを繰り返した後に、フレーズが融合してハーモニーを奏でるお決まりの展開には手に汗握りますが、ソロのラストでのドラムのバッキングも絡めたユニゾンプレイには脱帽です。
Kalmahを結成してくれて本当にありがとうと言いたいぐらい、痒いところに手が届きまくるプレイです。
北欧キラキラ系メロディックデスメタルの最高峰!
個人的に、この曲が最強です。
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