【曲紹介】Bonfire / On The Wings Of An Angel

ボンファイア / オン・ザ・ウィングス・オブ・アン・エンジェル (2018)

1972年にドイツで結成されたハードロックバンド。
2018年に発表されたBonfire名義として16枚目のアルバム[Temple of Lies]の3曲目に収録されています。

メジャーレーベルへの移籍に伴って1986年に[Cacumen]からBonfireへと改名し、息の長い活動をしているベテランバンドです。
2013年に一度解散をしましたが、ギタリストでありバンド名の権利を保有しているHans Zillerが並行して活動していた[Ez Livin’]をBonfire名義に戻して2015年より再出発を果たしました。
本作はその再出発から3作目にあたり、メタリックな部分が強調された前作と比べると、派手なコーラスやシンセのサウンドを強調した名作となりました。
その中から、特に哀愁の強いミドルテンポのナンバーがこちらです。

煌びやかなシンセと、哀愁漂うメロディは、ドイツの[Bon Jovi]と呼ばれていたメジャーデビュー当時の音楽性を見事に再現しています。
むしろ、当時よりもメロディアスな要素は更に高まっているかもしれません。

その原動力となっているのが2017年から[Masters of Disguise]より移籍してきたシンガーのAlexx Stahlの存在です。
Aメロでの低音部は前任のClaus Lessmannを彷彿させる歌い方ですが、Bメロでキーが高くなるとドラマチックに声を張り上げるスタイルに変わります。
サビの非常に高いキーも難なく出せる声域の広さと、元々はSavage Graceのようなスピードメタルを歌っていたことからのスタイルの柔軟さには驚かされます。

全編に亘って聴ける分厚いコーラスは、若干シリアスでシンフォニックな味付けも感じられるのですが、シンガーの声を見事に馴染んでいて違和感は一切ありません。

こういったミドルテンポの楽曲は、一歩間違うとリズムが弱くなりがちですが、ドラマーであるTim Breidebandのキレの良いプレイがあるので心配は無用です。
他のメンバーとは親子ぐらい年齢の離れている当時25歳の最年少メンバーながら、アクセントをしっかりと打ち出す芯のあるビートで楽曲をグイグイ引っ張っています。

彼のプレイに触発されたのかリードギターの二人まで歌の邪魔にならない程度に音数の多いプレイをしており、ベテランバンドらしからぬ若々しさを感じさせます。

一時期は解散状態に陥ったバンドですが、新しいメンバーが呼び込んだフレッシュな風によって過去以上に充実したメロディックロックに仕上がっています。
全てのメロディアスハードロックファン必聴の名曲です。

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