ハイ・オン・ファイア / エレクトリック・メサイア (2018)
1998年にカリフォルニア州で結成されたヘヴィメタルバンド。
2018年に発表された8枚目のアルバム[Electric Messiah]の3曲目に収録されています。
SleepのギタリストだったMatt Pikeを中心に結成されました。
初期[Black Sabbath]に影響を受けたヘヴィなサウンドと浮遊感のあるリズムを融合したストーナーロックのサウンドがアンダーグランドな人気を博します。
作品を重ねる度に徐々にスラッシュメタルの要素も取り入れ始め、ヘヴィメタルファンからも注目されるようになりました。
本作はMatt Pikeの敬愛するLemmy Kilmisterが亡くなったことを受け、[Motorhead]をオマージュした楽曲で構成されています。
その中から、ファンから最高傑作と称されるバンド史上最も攻撃的なナンバーがこちらです。
[Motorhead]初期の名曲[Iron Fist]をオマージュしているのですが、本家の5倍はアグレッシヴです。
原曲よりも遥かに速いテンポで、全てを薙ぎ倒さんとする勢いを持って爆走します。
まるで、ブレーキの壊れたダンプカーが急斜面を滑降しているようです。
あくまでもロックンロールを土台にした本家に対し、こちらはスラッシュメタルの要素も色濃く出ています。
ザクザクと刻まれるギターリフや激しいツインバスの連打は非常に攻撃的。
特にドラムの前のめりなビートや、その名の通り「ねじ込む」ように高速で打ち鳴らされるフィルインからは迸るエネルギーを感じます。
結成当初からLemmy Kilmisterからの影響が強かったMatt Pikeの歌も、演奏やアレンジと相まってまるで本人が歌っているかのようです。
ディストーションをかけて全ての音を支配せんとするベースの音作りも見事!
ここまでリスペクトをしてくれていれば、天国のLemmyもさぞかし喜んでいるでしょう。
ドュームメタルとストーナーロックを掛け合わせて独自のシーンを築いたスラッジメタルの頂点に立つバンドの渾身の一撃!
全てのラウドミュージックファンにおすすめの名曲です。
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