【曲紹介】As I Lay Dying / The Darkest Nights

アズ・アイ・レイ・ダイング / ザ・ダーケスト・ナイツ (2005)

2000年にアメリカのカリフォルニアで結成されたメタルコアバンド。
2005年に発表された3枚目のアルバム[Shadows Are Security]の4曲目に収録されています。

アメリカのメタルコアシーンを代表する人気バンドです。
老舗レーベルである[Metal Blade Records]と契約して発表した前作の[Frail Words Collapse]は、全米インディーズチャートで30位というまずまずの売り上げを記録。
[Killswitch Engage]や[Hatebreed]等の同じシーンで活躍するバンド達と共に精力的なツアーに出かけ、その知名度を高めていきます。
その間にEvan White(Gt)が脱退し、Nick Hipa(Gt)と空席だった正規ベーシストの座にはClint Norris(Ba)が加入。
ラインナップを新たにレコーディングされた本作はインディーズチャートで1位に輝いた他、Billboardチャートでも35位を記録します。
バンドの飛躍となった名盤から、メロディアスなギターリフが人気のナンバーがこちらです。

北欧のメロディックデスメタルからの影響が色濃く出ているメランコリックなギターリフがとてもに耳に残ります。
[In Flames]の新曲として紹介されても違和感がなく、一聴しただけではアメリカのバンドとは気づかないリスナー多いのではないでしょうか。
中でも特徴的なのが新加入Clint Norris(Ba)によるクリーンパートです。

Tim Lambesisによる激しいグロウルがバンドのアグレッシヴな面を引っ張ってきましたが、この曲のサビは全編でクリーンヴォーカルが用いられています。
柔らかい声質で囁くように歌うスタイルで、この曲の持つ抒情性を増幅させる素晴らしい仕事をしています。
使い所を間違えると素人臭さが出てしまって曲が台無しになるのですが、バックのメインリフが奏でる強烈なメロディと融合して心が和む不思議な雰囲気です。

また、メンバーチェンジでギターが2本になったこともアレンジに表れています。
要所要所でツインリードのハーモニーを織り交ぜており、その頻度は[Iron Maiden]に勝るとも劣りません。
特に最後のサビ後半でメインリフにハーモニーを重ねるところなどは、筆舌に尽くし難い高揚感が味わえます。

メタルコアのメロディックな部分を極限まで高めて抽出したお手本のようなサウンドです。
全体的に起伏の少ないシンプルな曲調だからこそ、メロディが際立ちます。

この曲の存在は大きく、90年代までのスタイルのヘヴィメタルしか聴かなかった層もメタルコアに関心を持たせることに成功しました。
二つのジャンルの架け橋ともなった歴史的名曲です。

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