【曲紹介】Grave Digger / The Reaper

グレイヴ・ディガー / ザ・リーパー(1993)

1980年にドイツで結成されたヘヴィメタルバンド。
1993年に発表されたGrave Digger名義としては4枚目のアルバム[The Reaper]の2曲目に収録されています。

[Scorpions]や[Accept]に続くジャーマンメタルの重鎮として君臨しているベテランバンドです。
Noise Recordsとから3枚のアルバムをリリースし、同期の[Helloween]や[Celtic Frost]共にレーベルの看板バンドとして人気を博します。
1986年にはUwe Lulis(Gt)が加入し、より多くのリスナー層にアピールする為にバンド名を[Digger]と改名。
翌年発表された[Stronger Than Ever]は、より多くの大衆にアピールすべくシンセのサウンドを取り入れたメロディアスなものでした。
しかしバンドのスタイルと合致しない音楽性の変化は、新規ファンを獲得できなかったばかりか既存のファンの殆どを失う結果となってしまいます。
改名は大失敗に終わり、失意のうちにバンドは解散。
ですが、Chris Boltendahl(Vo)とUwe Lulis(Gt)は1991年に元[Asgard]のTomi Göttlich(Ba)と数々のバンドを渡り歩いてきたJörg Michael(Dr)を加えてバンドを再結成します。
GUN Recordsと契約してリリースした本作は、本来の彼らの持ち味を最大限に活かしたパワーとスピードに満ちた名盤となりました。
その中から、バンドの代表曲にもなったスピードナンバーがこちらです。

ブリッジミュートをかけたヘヴィなギターの刻みとツインバスの連打が絡み、割れんばかりのシャウトが響き渡るイントロを聴いて驚きました。
前代未聞のアグレッシブなパワーメタルです。
解散前にポップな方向へ望まぬ路線変更を余儀なくされた反動でしょうか。
全てを薙ぎ倒して突き進むような勢いを感じます。

その原動力となっているのが、Chris Boltendahlの強烈な歌声。
[Udo Dirkschneider]から影響を受けたダミ声でわめく歌唱法は、楽曲の持つ凄まじいテンションを何倍にも増幅させています。
メロディの概念は薄めですが、スラッシュメタルで多く見る吐き捨てのスタイルとは違う情熱が迸っています。

ですが、80年代の彼はここまでテンションの高いパフォーマンスは出来ませんでした。
何が原動力になっているのかと言えば、[Rage]や[Mekong Delta]、[Axel Rudi Pell]等の様々なバンドを渡り歩くドラマーのJörg Michaelです。
彼の踏む怒涛のようなツインバスの連打は、全てのパートを後ろから蹴り上げるエネルギーを持っています。
曲の9割をひたすら連打で埋め尽くすアレンジでも、巧みなビートチェンジで緩急を付けて飽きさせません。
この素晴らしいドラミングによって、Chrisの眠っていた潜在能力が開花したのではないかと思います。

バンドが蘇る瞬間にしか出せない、狂気的とも言える異常なテンションに満ち溢れています。
ジャーマンパワーメタルの歴史において、非常に重要な名曲です。

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