【曲紹介】Iron Maiden / Fear Of The Dark

アイアン・メイデン / フィア・オブ・ザ・ダーク (1992)

1975年にイングランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
1992年に発表された9枚目のアルバム[Fear Of The Dark]の12曲目に収録されています。

1980年のデビュー以来、ヘヴィメタルの象徴として多くのフォロワーを産み出してきた伝説のバンドです。
前作の[No Prayer for the Dying]がレコーディングスタジオの都合でバンドにとって不本意な出来となった結果を反省し、ベーシストのSteve Harrisが全面的にプロデュースに関わることとなり、サウンド面で実に充実した内容の作品に仕上がりました。
その中から、ライブのセットリストには欠かせないバンドの代表曲であると同時に、シンガーの[Bruce Dickinson]が脱退する前最後のパフォーマンスとしても印象深いナンバーがこちらです!

彼らのサウンドといえば、古き良きブリティッシュロックから影響を受けた哀愁たっぷりのメロディと静と動を使い分けたドラマチックな曲展開が最大の持ち味ですが、この曲ではその要素が極限レベルまで濃縮されており、これまで自分達が作り上げてきた所謂Iron Maidenらしさの集大成とも言える仕上がりとなっています。

[Judas Priest]の[The Hellion]を思い起こさせるギターによる壮大なイントロで始まり、スローなバラード風の曲かと思いきや、唐突にアップテンポに切り替わる展開は非常に強いインパクトを与えます。
単音で鳴らされるメロディアスなギターリフは、当時の感覚でもあまりにもベタ過ぎて恥ずかしくなるレベルですが、本家のバンドがそれを堂々とやってくれるので有無を言わさぬ説得力を感じます。

[Bruce Dickinson]の歌唱も冴えに冴えています。
オープニングでの囁きかけるような歌い方から、広い声域を駆使して独特のビブラートをかけたハイトーンまでドラマチックな楽曲をさらにもう一段階上に押し上げるような素晴らしいパフォーマンスです。

ギターソロの展開も秀逸です。
前半部分は意図的にオーディエンスに大合唱をさせることを目的としたメロディラインを奏で、その後にエモーショナルなギターソロ本編とも言えるパートに移ります。
最後はギターとヴォーカルの掛け合いパートで、哀愁溢れるメロディの応酬に火花を散らす三段構えの展開となっており、非常にドラマチック。
ファンが望んでいることをよく理解しているなと感心します。

7分以上の長い曲ですが、この上なくキャッチーなメロディと綿密に練り込まれた曲展開のおかげで長さをあまり感じさせません。
80年代の作品にスポットが当てられることの多いバンドですが、この曲をベストナンバーに挙げるファンも多く存在します。
メディアからは黄金期と呼ばれた時代を締めくくるに相応しい名曲です。

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