スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン / イン・タイム (1973)
1967年に結成されたアメリカのファンクロックバンド。
1973年に発表された6枚目のアルバム[Fresh]の1曲目に収録されています。
ファンクロックと言えば、イメージするのはご機嫌なビートにホーンセクション
そして、ソウルフルなヴォーカル
まさに、James Brown
こういうご機嫌なのいいですよね!
でも、この曲は違います。
めちゃくちゃ気だるい、ご機嫌さのかけらもない。
なんか、ダウナー系のドラッグをキメて延々と同じリズムを聴いてトリップしているかのような雰囲気です。
いや、ドラッグはやったことないからわからないんですけどね。
ヤクブーツはやめろー
前作を発表した直後、チョッパーベースの神様と呼ばれたLarry Graham、そしてファンクにロックなリズムを持ち込んだGreg Erricoが脱退。
まだ20歳前後のRustee AllenとAndy Newmarkが加入します。
看板だったリズム隊が脱退してバンドは崩壊かと思いきや、この新しい二人のメンバーのプレイが素晴らしいんです。
なんて言うんでしょう
ドラムとベースで会話のキャッチボールをしているようなプレイ。
二人でボソボソ会話をしているようなプレイ。
めちゃくちゃ独特で、形容するのが難しいんです。
全ての楽器のシンプルな演奏が絶妙なアンサンブルでパズルのように絶妙に絡み合っています。
まるで、幾何学模様のような音像です。
音がどこから飛んでくるかわかりません。
そこに絡みつくのは、Sly Stoneの粘っこい歌。
重症の薬物中毒から立ち直り、フレッシュな状態で伸び伸び歌っています。
素晴らしい!
ファンク初心者には、もしかしたらよくわからない音楽かもしれません。
ただ、だまされたとおもって20回ぐらい聴いてみると、徐々に魅力に引き込まれて抜け出せなくなることでしょう。
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