ビートルズ / テル・ミー・ホワイ (1964)
1960年にイングランドで結成されたロックバンド。
1964年に発表された3枚目のアルバム[A Hard Day’s Night]の6曲目に収録されています。
バンド自らが作詞作曲をするスタイルを確立し、数えきれないヒット曲を作り出した20世紀を代表するバンドです。
1962年の衝撃的なデビュー以来、常にイギリスの音楽チャートのトップに君臨し続けるほどに人気を集めました。
更にはCapitol Recordsより全米デビューを果たすと1964年初頭に[I Want To Hold Your Hand]がBillboardのシングルチャートで1位に輝く快挙を成し遂げます。
爆発的な人気に乗って映画監督のRichard Lesterが彼らを主役にした[A Hard Day’s Night]を制作。
そのサウンドトラックとなった本作から、メロディアスで軽快なロックンロールナンバーがこちらです。
A Hard Day’s Nightで使う曲が追加で必要になったので急ごしらえで作った曲とのことですが、一聴しただけでは信じられません。
2分ちょっとの短いさらりと聴けるお気楽な楽曲ですが、演奏は非常に生々しいです。
Ringo Starrの何度も出てくるドタバタしたフィルインが非常に特徴的。
普段は淡々と気持ちの良いリズムを刻むのに、フィルインになった途端にドタバタ叩き始めるスタイルは存在感抜群です。
実は、Ringo Starrは両利きです。
普段は右利きのセットで叩いているけれども、フィルインの時だけ左手からスタートするんです。
なので、フィルインの時だけノリがちょびっと変わるんです。
これが非常に良い効果を生んでいます。
フィルインは、オカズとも呼ばれて曲に彩りを加えるもの。
叩き過ぎは曲が台無しに、かといって全く叩かないのも味気ない。
Ringo Starrは、曲にとってちょうどいい具合で叩いているのに聞き手に強烈なインパクトを与えてきます。
これは、リズムセンスとアレンジ能力に加えて生まれ持った両利きの才能が合わさった唯一無二の個性です。
未だに伝説のドラマーとして多くの人に愛されている理由の一つです。
聴けば聴くほど新しい魅力が発見できるドラマー。
2020年で80歳を迎えますが、これからも元気に活動して欲しいです。
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