【曲紹介】Overkill / Bring Me the Night

オーヴァーキル / ブリング・ミー・ザ・ナイト (2010)

1982年にアメリカのニュージャージー州で結成されたスラッシュメタルバンド。
2010年に発表された15枚目のアルバム[Ironbound]の3曲目に収録されています。

結成以来、アメリカ東海岸で活動するスラッシュメタルバンドの代表格として君臨し続けるベテランバンドです。
一度も解散せずにコンスタントに作品を発表しながら精力的なツアー活動を行いますが、ライブのコンサートでの動員に反して作品の売り上げは2000年台に入ってからは低迷する時期が続きます。
ですが、前作の[Immortalis]に[Lamb Ob God]のRandy Blytheがゲスト参加したことで若い世代からも注目を浴びることに成功。
これによってドイツの大手レーベルであるNuclear Blastとの契約が決まります。
レーベルからの十分なサポートの元でセルフプロデュースのレコーディングを行った本作は、1993年の[I Hear Black]以来17年ぶりにBillboard 200にランクイン。
多くのファンから奇跡のカムバック作品と呼び称され、バンドの代表作となる名盤となりました。
その中から、突進力抜群の爆裂スラッシュナンバーがこちらです。

驚くほどのハイテンションで疾走するハードコアの要素もあるアレンジに仕上がっており、爽快感は抜群です。
[Armored Saint]の[March Of The Saint]を1.5倍速にしたかのようなギターリフがとにかく強烈。
オーソドックスなヘヴィメタルを無理矢理高速で演奏するスタイルは[Metallica]のデビューアルバムそっくりです。

こういう前のめりに転がるようなロールしているリズムは、オーソドックスなスラッシュメタルのビートでは出せません。
[Motorhead]の[あの名曲]をバンド名に冠しているだけあって、ロックンロールのノリを心得ているバンドだからこそ出せるフィールです。
ベテランバンドと呼ばれるようになりながらも、若手バンドを引っ張っていく良い意味でヤンチャなサウンドがたまらなく魅力的です。

このサウンドの最になっているのが、バンドの中心人物であるD.D.Verniの(Ba)です。
アタックを極端に強くしたベースサウンドをバキバキと鳴らし、時には派手なフレーズを交えながらリズムを前へ前へと引っ張ります。
ドラムの激しいツインバスの連打と一丸になった時の破壊力には圧倒されるばかりです。

それに負けじと吠えまくるのが絶対的なフロントマンであるBobby “Blitz” Ellsworth(Vo)
二日酔いで機嫌の悪い[AC/DC]のBon Scottにスラッシュメタルを無理矢理歌わせたようなパフォーマンスは今にも噛み付いてきそうな迫力です。
バンドのアンサンブルとバチバチと火花を散らしています。

ダーティに飛び跳ねるように爆走する突進力は、30年近くのキャリアを誇るバンドらしからぬ若々しさです。
新しいバンドの黄金期を象徴するハードコアメタルの名曲です。

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