【曲紹介】Muse / Supermassive Black Hole

ミューズ / スーパーマッシヴ・ブラック・ホール (2006)

1994年にイングランドで結成されたオルタナティブロックバンド。
2006年に発表された4枚目のアルバム[Black Holes and Revelations]の3曲目に収録されています。

デビュー当時からワールドワイドで注目を浴びていましたが、前作の[Absolution]が遂に全英チャート1位を記録。
Glastonbury Festivalではヘッドライナーを務める等、欧州を代表するバンドにまで目覚ましい成長を遂げます。
大規模なワールドツアーも大成功させ、2005年のBrit Awardsでは最優秀ライブバンドにも選ばれて飛ぶ鳥を落とす勢いでニューアルバムのレコーディング入りました。
前作から3年ぶりに発表された本作は重厚なバンドアンサンブルはそのままに、インダストリアルやEDMなど実験的な要素を大々的に取り入れたチャレンジ精神に溢れるでした。
この変化は世界中で好意的に受け止められ、2作連続で全英チャート1位に輝きます。
その中から、先行シングルとなった特に実験色の強い人気ナンバーがこちらです。

[Nine Inch Nails]や[Ministry]にも通じるインダストリアルロックに[Prince]のダンサブルなアレンジを融合させた非常に個性的な仕上がりです。
無機質なマシンビートとシンセベースにファズをかけたハードなギターサウンドを乗せており、クールで怪しい雰囲気が充満しています。
この雰囲気作りの中心にいるのは、アレンジに見事にハマっているMatthew Bellamy(Vo/Gt)のファルセットボイス。
サイケデリックで耳に絡みつくような囁き声は癖の塊ですが、一度気にいるとそれ無しではいられない中毒性を持ち合わせています・

まるで異次元の世界にいざなうかのような気の触れたギターソロなど、その魅力に取り憑かれたら逃げられません。
曲のタイトルの通り、巨大なブラックホールに引き摺り込まれる感覚に陥ります。
このあたりは[Massive Attack]に代表されるトリップポップのアプローチを取り入れているのかもしれません。

[Radiohead]にヘヴィメタルの解釈を加えたスタイルで人気を博したバンドが、先行シングルにここまでチャレンジ精神溢れる曲を収録するのは勇気のいる行為だと思います。
一歩間違えば苦労の末に獲得した多くのファンを一気に失うリスクをはらんでいいます。
ですがそれも杞憂に終わり、普段はロックを好んで聞かないリスナーすらファンとして取り込むことに成功しました。

このチャレンジの成功で自信をつけた彼らは、変化を恐れずにアルバムごとに音楽性を変えてファンに衝撃を与え続けます。
その第一歩であり、ライブのセットリストには欠かせない定番曲となった名曲です。

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