【曲紹介】Grim Reaper / See You in Hell

グリム・リーパー / シー・ユー・イン・ヘル (1983)

1979年にイングランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
1983年に発表された1枚目のアルバム[See You in Hell]の1曲目に収録されています。

NWOBHMのムーブメントもひと段落した頃に彗星の如く現れた伝説のバンドです。
念願のメジャーレーベルからの全米デビューを果たすも、レーベル移籍のトラブルに巻き込まれてしまい結果を残せず解散をしたことでも有名です。
ですが、Steve Grimmett(Vo)の圧倒的な歌唱力はシーンに大きな爪痕を残しました。
時代を超えて愛されているデビューアルバムの中から、バンドの象徴として最も人気の高いナンバーがこちらです。

楽曲自体は憂を帯びたオーソドックスなアップテンポのブリティッシュメタルで、Aメロとサビしか存在しない非常にシンプルな構成です。
これといった特徴のない曲にも関わらずリスナーに強烈なインパクトを与えたのが、冒頭でも紹介したSteve Grimmettの歌唱力です。

ハイトーンになっても決してパワーが損なわれず、ドスの効いた中音域も安定感が抜群。
更にブリティッシュメタルによくある憂を帯びたハスキーな声質を持っているため、一片の隙もない素晴らしいシンガーです。
自慢の巨体と個性的なルックスも相まって、多くのファンを魅了しました。

この曲のハイライトは、しつこいほどのタイトル連呼。
サビでは毎度の如く8回もタイトルを叫ぶのです。
あまりに何度も繰り返すので、頭にこびついて離れなくなる中毒性があります。
また、彼は多くの楽曲のイントロでタイトルを絶叫する癖があります。
これは、ファンから愛される彼のトレードマークとなりました。

ライブでは間違いなくシンガロングが巻き起こる、ヘヴィメタルにおいて王道の展開です。
本作発表の翌年にはアメリカにてメジャーレーベルのRCAレコードから配給され、全米チャートで27週に渡って100位以内に留まるヒット作となりました。
この海を超えたアメリカで受けたのもシンプルな構成が要因では無いかと思います。

2017年には不幸にも感染症で片足を失ってしまったSteve Grimmettですが、必死のリハビリの末に義足をつけてステージに舞い戻り、2022年に亡くなるまでこの曲を元気に披露してきました。
NWOBHMのムーブメントを象徴する、永遠に語り継がれるべき名曲です。

アルファベット別の記事一覧はこちら!

コメント

タイトルとURLをコピーしました