ディーモン / アー・ユー・ジャスト・ライク・ミー (スピリット・オブ・マン) (2016)
1979年にイングランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
2016年に発表された13枚目のアルバム[Cemetery Junction]の1曲目に収録されています。
NWOBHMのムーブメントに乗ってデビューし、ヘヴィメタルの枠を超えたメロディアスな楽曲が人気となったバンドです。
恐ろしげなバンド名とは裏腹に楽曲は比較的ソフトであり、シアトリカルでエンターテイメント性の強いライブでファンを増やしました。
幾度ものメンバーチェンジ繰り返して1992年までに9枚のアルバムをリリースしますが、中心人物のDave Hill(Vo)が活動に疲弊して惜しくも解散。
しばらく沈黙しましたが、2001年にDave Hill(Vo)以外のメンバーを一新して再結成を果たします。
Spaced Out Musicを立ち上げ、マイペースながらもコンスタントに作品をリリース。
ツアーは殆ど行わず、フェスティバルへの出演を中心にリラックスした活動が中心となりました。
時間に追われずにじっくりと曲を書き、レーベルからの無茶な要望も無い環境でレコーディングをする環境も手にします。
そんな中で作られた本作は、バンドの初期作品に回帰したかのようなメロディックな名作となりました。
その中から、アルバムのトップを飾るヴィンテージなハードロックナンバーがこちらです。
叙情的なギターフレーズやハモンドオルガンのサウンドを惜しげもなく使ったサウンドは、70年代前半のブリティッシュハードロックへのこれ以上ないリスペクトが感じられます。
狂おしいほどに泣きまくり、ソロでは美しいツインリードのハーモニーを聴かせてくれる2人のギタリストたちの素晴らしい仕事ぶりには脱帽です。
そして、バンド唯一のオリジナルメンバーであるDave Hillの歌は今回も絶好調です。
声域は狭く美声とは遠い濁声なのですが、メロディを非常に丁寧に歌い上げ、楽曲の持つ叙情性を引き上げています。
Demonの楽曲は彼の声意外考えられません。
長いバンドの歴史の中で、音楽性も目まぐるしく変化させてきました。
プログレッシヴロックに移行したり、AOR的なアプローチを試したり、はたまたダウンチューニングでヘヴィなギターサウンドを取り入れたり。
ですが、こうしてバンドの原点であるメロディアスな方向性を更にパワーアップさせて戻ってきてくれたことを嬉しく思います。
今を生きるベテランバンドが聴かせてくれる渾身の1曲です。
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