【曲紹介】Metallica / Hardwired

メタリカ / ハードワイアード (2016)

1981年にロサンゼルスで結成されたスラッシュメタルバンド。
2016年に発表された10枚目のアルバム[Hardwired]のDisc1の1曲目に収録されています。

ヘヴィメタルのシーンにおいて最も商業的な成功を手にしたバンドとして知られています。
デビュー前よりスラッシュメタルシーンの中心に立ち、1991年に発表した通称『ブラックアルバム』と呼ばれる[Metallica]ではスピードを抑えたメロディアス且つヘヴィな作風で新しいヘヴィメタルの時代を作り上げました。
商業的な成功を収めてからはバンドのイメージに囚われない自由な環境で活動を続けます。
ですが、2008年に発表した前作の[Death Magnetic]では作風が大きく変化。
プロデューサーにRick Rubinを迎え、複雑でエクストリームなスラッシュメタルの路線へと転換しました。
2011年には[Lou Reed]とコラボレーションをした企画アルバム[Lulu]を発表。
2013年には南極大陸のCarlini Baseでコンサートを行ったりと話題を振りまきますが、2015年に入るとニューアルバムの制作に着手。
前作から8年ぶりに発表された本作は、なんとディスク2枚組という大ボリュームで届けられました。
その中から、活動初期を彷彿させるシンプルなスラッシュナンバーがこちらです。

スネアの連打とザクザクと刻まれるギターをユニゾンしたイントロを聞けば、否応にも血が湧き立ちます。
あまりにもオーソドックスなスラッシュメタルサウンドに、ここ25年ほどの彼らを知っているファン達は驚かされたことでしょう。
前作が[…And Justice for All]の続編だとしたら、この曲に関してはデビューアルバム[Kill ‘Em All]流れを汲んでいると言えるでしょう。

楽曲の長さも3分程度と非常に短く、全ての楽曲が5分以上の本作ではかなり異色と言えます。
リズムチェンジや長いギターソロもなく、非常にすっきりした印象。
他の楽曲はJames Hetfield(Vo/Gt)ギターリフを中心に作られることが多いのですが、この曲に関してはLars Ulrich(Dr)のドラムプレイに音を重ねる形式で制作されました。
普段とは真逆のアプローチをとるアイデアを出したのはRobert Trujillo(Ba)でしたが、これはまさしく大正解と言えるでしょう。

前年に活動を終了した[Motorhead]へのリスペクトがひしひしと感じられ、メンバー達も一気に若返った印象を与えています。
元々はアルバムの中に存在しない楽曲でしたが、オープニングナンバーの候補だった[Atlas, Rise!]にLars Ulrich(Dr)が待ったをかけて4日という短期間で作成されたと言うエピソードがあります。
仮に[Atlas, Rise!]がオープニングナンバーだった場合は、アルバムの印象はかなり違ったことでしょう。

アルバムが完成した後の突貫工事で追加したとは思えない充実ぶり。
思いつきのアイデアを練りに練って成功した好例として、思わず紹介したくなる名曲です。

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