ディーモン / アー・ユー・ジャスト・ライク・ミー (スピリット・オブ・マン) (2016)
1979年にイングランドで結成されたヘヴィメタルバンド。
2016年に発表された13枚目のアルバム[Cemetery Junction]の1曲目に収録されています。
ロンドンを中心に巻き起こったNWOBHMのブームに乗ってデビューを飾った為、商業的には成功したとは言い難いながらもブリティッシュメタル特集ではたびたび名前の挙がるバンドです。
物々しいバンド名に反して、非常にポップで聴きやすいメロディアスロックを得意としており、大掛かりな仕掛けを使ったインパクトの強いライブパフォーマンスで熱心なファンを数多く獲得しました。
幾度ものメンバーチェンジや音楽性の変化、解散と再結成を経て辿り着いたのは原点に回帰するかのようなヴィンテージ感溢れるブリティッシュメタルです。
叙情的なギターフレーズやハモンドオルガンのサウンドを惜しげもなく使ったサウンドは、70年代前半のブリティッシュハードロックへのこれ以上ないリスペクトが感じられます。
狂おしいほどに泣きまくり、ソロでは美しいツインリードのハーモニーを聴かせてくれる2人のギタリストたちの素晴らしい仕事ぶりには脱帽です。
そして、バンド唯一のオリジナルメンバーであるDave Hillの歌は今回も絶好調です。
声域は狭く美声とは遠い濁声なのですが、メロディを非常に丁寧に歌い上げ、楽曲の持つ叙情性を引き上げています。
Demonの楽曲は彼の声意外考えられません。
長いバンドの歴史の中で、音楽性も目まぐるしく変化させてきました。
プログレッシヴロックに移行したり、AOR的なアプローチを試したり、はたまたダウンチューニングでヘヴィなギターサウンドを取り入れたり。
ですが、こうしてバンドの原点であるメロディアスな方向性を更にパワーアップさせて戻ってきてくれたことを嬉しく思います。
今を生きるベテランバンドが聴かせてくれる渾身の1曲です。
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