エアロスミス / 闇夜のヘヴィ・ロック (1975)
1970年にアメリカのボストンで結成されたロックバンド。
1975年に発表された3枚目のアルバム[Toys In the Attic]の1曲目に収録されています。
アメリカンハードロックの象徴として、長年に亘りシーンのトップに君臨しているレジェンドバンドです。
1973年に発表したデビューアルバム[Aerosmith]よりシングルカットされた[Dream On]がBillboard Hot 100で59位にランクインするヒットを記録。
順調な滑り出しで自信を持ったバンドは、駆け出し中のJack Douglasをプロデューサーに添えてセカンドアルバム[Get Your Wings]をリリース。
演奏力も音質も格段に向上した力作は、1年以上に渡ってBillboardチャート200位圏内に入るロングヒットを記録しました。
この作品を提げた1年間の精力的なツアーでは様々な楽曲のアイデアが生み出され、それを元にニューアルバムのレコーディングを開始。
Jack Douglasから”別バンドかと思うほど見違えた”と絶賛され、メンバーも渾身の傑作と称する本作は全米チャートで初登場11位まで上り詰めて初期の代表作となりました。
その中からアルバムのトップを飾るアップテンポのナンバーがこちらです。
軽快なビートに合わせてかき鳴らされるソリッドなギターリフがとにかく強烈。
過去作で聴けた泥臭いブルースロックからの影響が強いサウンドはなりを潜め、代わりに飛び出してきたのは華やかでラウドなヘヴィロックサウンドでした。
火花を散らすような強靭なアンサンブルは、長いツアー生活で鍛え上げたられたもの。
何もかもが過去作品から大幅にスケールアップしています。
特に耳を惹くのがTom Hamilton(Ba)のプレイ。
ゴリゴリとしたサウンドで自己主張をし、ギターリフとつかみ合いの喧嘩をしているかのようにガッチリと組み合ってユニゾンをしています。
メロディックなフレーズでギターソロに乱入してくるアレンジはにも驚かされました。
リズムの中心は自分だとばかりに、バンド全体をグイグイと引っ張るエネルギッシュなプレイは実にご機嫌です。
Steven Tyler(Vo)の妖艶なパフォーマンスも圧倒的。
グラマラスで粘つくような歌い方は毒気たっぷりで、まさにバンドのイメージであるバッドボーイズを体現しています。
曲の後半で聴ける発情したオス猫とも形容できる凄まじいスキャットは、唯一無二の個性です。
後に彼のトレードマークともなり、ステージで披露すれば客席は興奮の坩堝と化けします。
彼にとってのブレークスルーとなった熱狂のパフォーマンスと言えるでしょう。
荒削りながらも勢いのあった[Aerosmith]
堂々とプロを名乗れる貫禄をつけた[Get Your Wings]
それに続くのが、世界の頂点に立つ足掛かりを作った作品の輝かしいオープニングを飾った名曲です。
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