エクストリーム / キッド・イーゴ
1985年にアメリカのマサチューセッツ州で結成されたハードロックバンド。
1989年に発表されたデビューアルバム[Extreme]の3曲目に収録されています。
Nuno Bettencourtの弾くブラックミュージックのリズムを取り入れたテクニカルなギターワーク人気を博し、メディアからは[ファンクメタル]と呼ばれます。
結成当初は地元ボストンを中心に地道な活動を続け、1987年のBoston Music Awardsでは最優秀ハードロックバンドに選ばれます。
その噂を聞きつけたA&M Recordsがバンドに契約を持ちかけ、バンド側もそれを快諾してレコーディングを開始します。
プロデューサーには[Scorpions]や[Queen]を手がけたReinhold Mackを迎えて完成したデビューアルバムは、Billboardチャートで80位にランクインするまずまずのヒットを記録しました。
その中から、デビューシングルにもなったヘヴィなナンバーがこちらです。
Van Halenからの影響が非常に強いです。
ヴォーカルを務めるGary Cheroneの声質が、Van HalenのDavid Lee RothとSammy Hagarをミックスした感じなので、尚更そう聞こえるのかもしれません。
そのためか、後に[Van Halen]のシンガーへ抜擢されます。
そして、ギターが非常にテクニカル!
曲芸みたいなプレイは一切ないのですが、一つの音を非常に丁寧に弾いています。
音の出し方と切り方がリズムの心地よいところを見事に突いてきます。
レコード会社から無理やりグラムメタルみたいな格好をさせられていますが、軽薄さは一切ありません。
「俺たちは音で勝負るすぜ!」と言わんばかりの骨太なハードロックです。
こう言う曲はドラムがとにかく難しい!
音と音の隙間がとても大きいので、油断するとたちまち地に足のついていないプレイになってしまいます。
それでいて、ビートの部分は思いっきり強調しないといけません。
強調するところだけに、外した時のダサさも際立ってしまいます。
ギターとベースの音をしっかりと聴いて、細かいノリをしっかりと把握する必要があります。
こういう粘っこいフィールは、ブラックミュージックを知らないとなかなか出せません。
それも、聴きかじる程度ではなく、ノリまで本気でコピーをしないといけないレベルです。
一斉を風靡できたのも、異なるジャンルをバランスよくミックスできたからこそですね。
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